プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人・坂本勇人、完成形へ――。
絶好調を支える「右軸打法」。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKiichi Matsumoto
posted2019/05/10 18:10
坂本のシーズン最多本塁打は2010年の31本。今季は軽く越えるペースだ。
開幕から「34試合連続出塁中」!
開幕から「34試合連続出塁中」の今季(5月10日夜・現在)。
この数字は、1977年に王貞治さんが刻んだ球団記録を抜いて新記録となる。
後ろに丸佳浩外野手が控え、投手が「歩かせても」という配球、攻めができなくなっていることも、この新記録の1つの大きな要素ではあるだろう。ただ34試合のうち四球だけの出塁で無安打だったのはわずか4試合。残りの30試合は安打を放って塁に出ているのだ。
4年前から取り組みだしたバッティングが、いよいよ本当に自分のものとなってきた。打者・坂本勇人がいよいよ1つの完成形に近づいているという証の数字でもある訳だ。
ただ、現在の打撃も坂本自身の中ではまだまだゴールではないはずだ。
「ヒットでもフォアボールでも、出塁したいという気持ちは常に変わらないです。いつも通りにやっていきたい」
記録ではなく、優勝という大目標に向けてやるべきことをやる――何よりこの揺らがない心が、坂本の最大の成長の証である。