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巨人・坂本勇人、完成形へ――。
絶好調を支える「右軸打法」。

posted2019/05/10 18:10

 
巨人・坂本勇人、完成形へ――。絶好調を支える「右軸打法」。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

坂本のシーズン最多本塁打は2010年の31本。今季は軽く越えるペースだ。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Kiichi Matsumoto

 転機は4年前のオフだった。

 日本代表チームに参加していた2015年の国際大会「プレミア12」と、翌年のキャンプでの出会いが、巨人・坂本勇人内野手の現在を作る礎になっている。

「僕にはその感覚がなかったから『エッ!』っていう感じでした」

 後にそのことを振り返って坂本自身もこう語っている。そうしてこのオフに坂本のバッティングは大きな転機を迎えていた。

 それまでの体の中心を軸に回転するスイングから、右足に軸を残して回る現在のスタイルへの転換だ。

「野球のことに関して坂本さんは年上も年下も関係ない」

 こう振り返るのは「プレミア12」で共に侍ジャパンの一員として過ごしたDeNAの筒香嘉智外野手だった。

坂本を成長させた野球談義。

 筒香は'17年のワールド・ベースボール・クラシックでも共に日の丸を背負って戦っている。そうした代表での一番の思い出は、坂本らと交わした野球談義だったのだという。

「一緒に食事に行っても、坂本さんや秋山(翔吾、西武)さんというのは、僕とか年下の人間にも色々なことを質問したり確かめたりして聞いてくる。野球への貪欲さというか、そういう熱心さが凄いんです。やっぱり本当に野球が好きで野球のことを追求している選手っていうのは違うんだなと、僕も改めて学ぶことが多かったです」

 この'15年の「プレミア12」のときに坂本が熱心に周囲に聞いていたのが、スイング軸のとり方だったという。

 坂本が1年目から一軍に上がって2年目にはレギュラーポジションを獲得できるようになったのには、色々な背景がある。

 ただ1つだけ確実に言えるのは、ほとんどの打者が苦労するインサイドの厳しいボールを、苦もなく(そう見える)さばく天性の技術があることだった。

 その反面、外のボールに対する対応はワンパターンだった。

 現在のように右方向に強い打球をなかなか打てないで、苦労をする時期が長かったのだ。

【次ページ】 秋山、筒香への質問攻めから見えたものとは?

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