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トッティ2世と噂の19歳ザニオーロ。
放出インテルが「大失敗」とため息。
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph byUniphoto Press
posted2019/04/24 10:00
トッティの面影をどことなく感じさせるザニオーロ。ローマの新たなアイドルとなれるか。
放出インテルは「巨大な失敗」。
少なからぬ異論も聞こえてくる。トッティほどの才能の持ち主は不世出であって、二度と出てこなくてもおかしくないと厳しく品定めするロマニスタたちの反応だ。これとは違った角度からプレデスティナート論を否定する声もある。
「運命づけられた選手なんて、どこにもいないと思いますよ」
トッティと同様に17年間のプロキャリアすべてを同じく名門クラブのインテル一筋で貫き通した往年の名手、サンドロ・マッツォーラの発言だ。セリエA通算417試合に出場して116ゴール、イタリア代表でも70試合で22ゴールをマッツォーラが記録したのは、あらかじめ運命づけられていたからなのか――。
並々ならぬ努力やパフォーマンスの蓄積で名声を築いてきたという自負があればこそ、「運命づけられた選手なんてどこにもいない」と発言できるのではないか。
ちなみにザニオーロは、2018年夏にインテルが手放した選手のひとり。2017年夏の獲得からわずか1年で見切りをつけた格好だ。1977年の現役引退から40年以上が過ぎた今も“インテル愛”の権化のようなマッツォーラは、こう悔やんでため息をついたという。
「巨大な失敗でした……」
今ここで言えるのは「一見に値する」ということだけなのかもしれない。ザニオーロがこれだけ騒がれている理由は、やはりピッチの上にあるはずだから。