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トッティ2世と噂の19歳ザニオーロ。
放出インテルが「大失敗」とため息。 

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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photograph byUniphoto Press

posted2019/04/24 10:00

トッティ2世と噂の19歳ザニオーロ。放出インテルが「大失敗」とため息。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

トッティの面影をどことなく感じさせるザニオーロ。ローマの新たなアイドルとなれるか。

CLでの2ゴールで一躍時の人に。

 ザニオーロに「トッティ2世」としての期待を寄せるロマニスタ(ローマファン)が一気に増えたのは、2019年2月12日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド・オブ16で1試合2ゴールを決めてからだろう。

 ポルトガルの雄FCポルトとの第1レグで70分の先制点、76分の追加点を奪ってみせたザニオーロの勇姿を、こうした大一番で誰よりも頼りになったかつての大黒柱トッティの姿と重ね合わせていたに違いない。

 より大きな注目を集めるCLでの大活躍で、ザニオーロは一躍時の人となる。推定市場価格はおよそ半年で50倍以上に跳ね上がったとされ(2018年夏の100万ユーロを遥かに上回り、5000万ユーロ=約63億円に)、予想される高額のコストにもかかわらず熾烈な争奪戦が有力視されるようになる。

 ザニオーロの獲得に名乗りを上げていると取り沙汰されるのは、レアル・マドリー、ユベントス、バイエルン・ミュンヘンなどメガクラブばかりである。

カペッロが語るポグバとの類似点。

 今夏の移籍も視野に入るようになり、ザニオーロへの関心がさらに高まると「実際のところ誰に似ているか」が話題となる。

 インテルU-19時代のザニオーロを指導したステーファノ・ベッキは「フランク・ランパードとスティーブン・ジェラードを足して2で割ったようだ」と評し、元イタリア代表MFのマルコ・タルデッリ(1982年ワールドカップの優勝メンバー)は「多くの人はミヒャエル・バラックかフランク・ランパードだと言っている。私が思い出すのはケビン・デブライネだ」と話す。現役バリバリのデブライネ(マンチェスター・シティ)を含め、いずれも得点力の高い攻撃的MFだ。

 かつてローマでも監督を務めたファビオ・カペッロは、ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)との類似点を指摘する。

「どちらも長身で容易なパスは選択しない。完璧なアシストを求めているからだ。それに2人とも良いロングシュートを持っている」

 生粋のレフティーであるザニオーロが、いずれも右利きのランパード、ジェラード、バラック、デブライネ、さらにはポグバに似ていると言われるのは、利き足ではなく中盤からの攻め上がりなどプレースタイルに大きな特徴を持った選手だからだろう。ローマでつけている背番号22は、憧れてきたカカ(やはり右利きで得点力の高い攻撃的MF)がミラン時代に背負っていた番号だ。

【次ページ】 トップ下かインサイドハーフか。

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ローマ
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