フィルミーノはモダンなFWである。

――そのクロップはあなたから大きな影響を受けたとされます。彼の強みとは何になるでしょうか？

RR　選手のモチベーションをうまく刺激するので有名ですが、彼の仕事ぶりについて私はあくまでも外側からしか知りません。もちろん私は彼の仕事ぶりを非常に高く買っていますよ。それだけは間違いありません。

――あなたはRBザルツブルク時代にサディオ・マネとナビ・ケイタを、ホッフェンハイム時代にはフィルミーノを指導されました。なかでもマネとフィルミーノは今や押しも押されもせぬリバプールの大黒柱に成長していますが、初めて彼らを見た際の印象を教えてください。

RR　3人ともズバ抜けた才能を持っていました。それはライバルに紛れてしまうものではなく、出会ってすぐに気づきましたよ。色々なポジションを任せられるし、瞬間的な判断力や一瞬の動きに秀でているので、どのチームでも周囲に好影響を与えられるのです。

――フィルミーノは従来のストライカーとは異なるタイプだと思いますが、具体的にどんなところが優れているのでしょうか、また彼がリバプールで果たす役割とは？

RR　信じられないくらい素晴らしいテクニックと卓越したゲーム理解力を挙げたいと思います。さらにゴールを奪うセンスも抜群です。彼はボールが来るのをただ待っているのではなく、自らのアクションでゴールチャンスを作るモダン・ストライカーの良きお手本です。

――モダンとは現代的、あるいは進歩的の意味がありますが。

RR　ストライカーとしての才能と、攻撃的ミッドフィールダーの才能を併せ持ったタイプということですよ。それをフィルミーノは実現しているのです。

――今季のチャンピオンズリーグでは、バイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムント、シャルケ04のドイツ勢が揃ってベスト16で敗退したのとは逆に、プレミアリーグ勢は出場4チームともベスト8に進出しました。この差をどう解釈されますか？

RR　海外投資家と莫大なテレビ放映権料のおかげでプレミアリーグは大きなアドバンテージを有しています。所属選手の顔ぶれとクオリティの高さを見ればわかるように、クラブはどの試合にも高いレベルで臨むことができる。ただ、上位のチームには自国で育てた選手があまり見受けられませんね。

　私が思うに、プレミアリーグの成功はユース育成の賜物ではなく、あくまでも財政事情によるものなのです。また、ペップとクロップだけでなく、（マウリツィオ・）サッリ、（マウリシオ・）ポチェッティーノ、（ウナイ・）エメリら、上位チームを指揮するのは海外出身の一流監督ばかりです。資金力に加え、（選手、監督の）技量の高さとキチっとしたコンセプトがプレミアリーグということです。

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