弱点をさらしてタフになった。

「こうして最後の最後に追い付けたことは、チームが一つにまとまって戦えている証拠。連戦になるので、みんなの力で勝っていけるチームにしていきたい。自分もケガを治して、チームのために貢献したい」

　試合後、柏木はそのように語った。

　シャドー、トップ下、ボランチを主戦場に、3年連続で主要タイトルをもたらしてきた。自分の弱点も隠さずさらすことで、むしろその一面に刺激を入れてタフさを増してきたのが柏木だ。

　その基本的なスタンスを変える必要はない。が、東との接触でひどい打撲を負った後、顔をしかめ足を引きずり、その痛み（引け目）を周知してしまうのは、得策ではなかったかもしれない。

　チームメイト、それに日本最大の動員数を記録してきたスタンドを埋めるサポーターが見守る。そのなかで浦和の10番、そしてキャプテンとして誇り高く闘うその姿に、惜しみない拍手と熱い声援が送られる。