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アーモンドアイがドバイで4億円!
海外GIも難なく勝利、目は凱旋門へ。
posted2019/04/01 11:05
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
REX/AFLO
日本の最強馬に残されたターゲットは、もはや凱旋門賞のみと言っていい。
第24回ドバイターフ(3月30日、UAEメイダン芝1800m、北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上GI)を、クリストフ・ルメールが騎乗する日本のアーモンドアイ(牝4歳、父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。1着賞金360万ドル、約4億円を獲得すると同時に、昨年の桜花賞から始まったGIの連勝を「5」に伸ばした。
アーモンドアイにとって、これが2分20秒6というスーパーレコードで制した昨年のジャパンカップ以来4カ月ぶりの実戦であり、初めての海外でのレースであった。
3月20日に出国し、翌21日未明、現地に到着。順調に調整され、レース当日はロードカナロア産駒らしい、いつもの落ちついた姿でパドックに現れた。
出走馬は13頭。一昨年の覇者で、昨年2着だったヴィブロス、一昨年の秋華賞馬で、昨年の香港カップで2着に好走したディアドラという2頭の日本の牝馬と、3連勝でここに来た地元のドリームキャッスルが強敵と見られていた。
位置取りの時点で勝利は半ば決まった。
ゲートが開いた。真ん中あたりの7番枠から出たアーモンドアイは速いスタートを切った。典型的な逃げ馬が不在だったため、押し出されて先頭に立ってしまうほどの勢いだったが、ルメールが手綱を引いて宥め、ゲートから400mほどのところで先頭から5、6馬身まで下げて、外に持ち出した。
「ゲートはよかった。いいポジションを取ることができた。リラックスして、いいストライドで走っていた」とルメール。
包まれる恐れのない位置を早めに確保したこの時点で、勝利を大きく引き寄せたと言っていい。
そのまま中団の外で折り合いをつけた。直後の内にヴィブロスがいて、ディアドラは後方の内に控えている。
メイダンは左回りで、芝1800mは長い向正面を走って3、4コーナーを回り直線に入るという、いわゆる「ワンターン」のコースである。東京芝1600mや、回りは逆だが京都や阪神の芝外回りコースに形状が似ている。