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アーモンドアイがドバイで4億円!
海外GIも難なく勝利、目は凱旋門へ。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byREX/AFLO
posted2019/04/01 11:05
アーモンドアイが圧倒的な強さで2019年のスタートを切り、凱旋門賞をさらにはっきりと視野に捉えた。
早めに抜け出し、危なげなく優勝。
オイシン・マーフィーが騎乗する英国馬センチュリードリームが単騎逃げの形に持ち込み、馬群は8馬身ほどの塊となって3コーナーへ。アーモンドアイは先頭から5、6馬身の中団の外を、持ったままの抜群の手応えで進んでいる。
直線に向き、ラスト400mを切ったあたりでルメールの手が軽く動いた。すると、逃げ馬との差はあっと言う間に詰まり、ラスト300m地点で先頭に立った。ラスト200m地点でルメールはちらっと後ろを振り返り、右ステッキを入れた。
2馬身ほど後ろの外からヴィブロスと英国馬ロードグリッターズが迫ってくる。ルメールは、アーモンドアイが気を抜かないよう、さらに4発、軽くステッキを入れた。
アーモンドアイは後続を振り払い、先頭でフィニッシュ。危なげないレース運びで、海外GI初制覇を遂げた。
「3、4コーナーで自分から動いていきました。直線に入ってからも普段どおりの脚で伸びてくれました。ラスト400mで勝てると思いました」とルメール。
1馬身1/4差の2着がヴィブロス。半馬身差の3着はロードグリッターズ。ディアドラはそこから4馬身ほど遅れた4着だった。
直線で見せた昨年からの変化。
国枝調教師は、道中、外に出したところで安心して見ていられるようになったという。
「もう少しスッと行くかと思いましたが、(2着の)ヴィブロスはすごい馬だなと思いました。どれくらいのパフォーマンスを見せられるかと思っていましたが、90点と言えるパフォーマンスだったと思います」
馬なりで勝ってほしいと話していたこともあったが、大物のいない海外勢相手にそうならなかったのは、やはり休み明けのぶんか。スタートしてしばらくは、やや行きたがっていたし、直線の伸びも、これまでのパフォーマンスからすると、いくらか物足りないように感じられた。
しかし、明らかな変化もあった。昨年は、直線で何度も手前を替えながら走っていたが、今回は、直線で右手前にスイッチしてからずっとそのまま走り、最後の5完歩ほど、また左手前に戻しただけでゴールした。これは、走りやすいバランスポイントを馬が自分で見つけたから、つまり、成長したからと見ていいのではないか。