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世界がアーモンドアイにお手上げ。
凱旋門賞で唯一の心配は臨戦過程。
posted2019/04/02 16:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
「いつも少しうるさい面があります。いつも通りです」
パドックから馬道を抜け本馬場に入場するアーモンドアイ(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)。頭を激しく振り、2人曳きする根岸真彦調教助手と宮田敬介技術調教師を引きずるようなシーンもあった。装鞍所やパドックではいつも少し興奮するタイプの牝馬ではあるが、現場で見ていた限り、初のナイター競馬のせいか久しぶりの実戦のせいか、いつも以上にエキサイトしているように思えた。
しかし、跨ったクリストフ・ルメール騎手が語った冒頭のセリフ。何も心配していなかったと言う。
昨年の年度代表馬が2019年の始動戦として選んだのは海の向こう。3月30日に中東ドバイで行われたドバイターフ(GI・メイダン競馬場、芝1800m)だった。
ルメール「少し短めのところを」
秋には凱旋門賞(GI・フランス、パリロンシャン競馬場、芝2400m)という話もある同馬にとって、ドバイでの選択肢は2つあった。芝2410mで行われるドバイシーマクラシック(GI)かドバイターフだ。
秋にフランスの大一番を目指すなら距離的にはドバイシーマクラシックを使った方が道理としては腑に落ちる。しかし、陣営が選択したのはドバイターフ。同じくルメール騎手が主戦でノーザンファーム産のレイデオロ(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)がドバイシーマクラシックに出走するため、苦渋の決断かと邪推したが、ルメール騎手は頭を振った。
「確かにレイデオロとの関係はあります。現在のレイデオロは長めの距離の方が良いけど、アーモンドアイはどちらでも大丈夫ですから……」
ただそれ以上に、と続ける。
「アーモンドアイは昨年11月のジャパンC以来の出走です。少し短めのところの方が良いと僕自身も思いました」