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内田篤人を放出したSDがついに退任。
迷走シャルケに浮上の糸口はあるか。
posted2019/03/07 10:30
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
さる2月23日、シャルケのSDであり取締役でもあるクリスティアン・ハイデルの退任がクラブから発表された。発表によればハイデル自身が申し出たことで、2020年6月30日までの契約があったもののこの夏でその契約を終了する、とのことだ。
確かに今季のシャルケの低迷ぶりはひどいものがある。昨季2位と大躍進し、今季のCL出場権を獲得したは良いが、今季のリーグ戦では14位と大苦戦中。どうにか残留は果たすだろうが、欧州カップ戦出場圏の6位に入るのは少々難しそうだ。
現在進行中のCLでは、決勝トーナメント1回戦でマンチェスター・シティと対戦している。ホームでの初戦は2-3で落としており、アウェイでの2戦目への期待は薄い。成績低迷した場合、監督を交代させるのが定石ではあるが、テデスコの今後に関してはまだ決断は下されていない。
監督より先にSDがクビに!?
SDが監督よりも先に解任されるケースというと、'17-'18シーズンのケルンが思い出される。
この時のケルンは前半戦で1勝も挙げられないという記録的な不調に見舞われ、ペーター・シュテーガー監督ではなく、SDのイェルク・シュマトケの解任が先に発表された。この時はクラブの顔でもあるシュマトケが、ケルンで愛されるシュテーガーを守るという意図があった。
結果的にその後も不調は止まらずシュテーガーの解任も免れることはできなかったが、クラブへの愛着を感じさせるものだった。
だが、今回のハイデルの件はどこか様相が違う。
ハイデルは「私は、チームに関しての責任がある。昨年夏までは問題がなかったが今季は思っている通りにいっているとは言い難かった」と自身の責任を認めつつ、「私個人に関する議論も影響した」と批判を浴びながらでは落ち着いて業務に取り組めなかったとしている。