藤枝の結果を見てくれる。

「大迫さんの活躍を純粋に応援しているし、大迫さんも僕ら2人がいるから、藤枝のこともチェックしてくれている。なので僕らも頑張って、大迫さんにいい刺激を与えられたらなと思っています。

　あと最近、僕が結婚したので大迫さんから『こっち（日本）帰ったら、飯でも行こうよ。その時にお祝いさせてよ』という連絡をもらいました。いつまでも気に掛けてくれる兄のような存在です」（鮫島）

「勇也はサッカーに対して物凄く熱い男。中途半端なことは大嫌いで、高校時代に勇也から『やる気がない』と見なされると、練習試合でも『もっとやれよ！』めちゃくちゃ言われました。もちろん僕も手を抜いているつもりはないけど、『あ、やらなあかんな』と素直に思える存在でした。

　当時から本当に信頼できたし、それは今の日本代表を見ても、誰もがそう思っているでしょうね。年末にご飯に行こうと言っているので、楽しみですね」（希）

「誇りに思っていますから」

　勇也と兄弟のような関係が続いている鮫島と、ライバルから応援する友人へと変わった希。

「同じ『大迫』ですが、僕が『大迫半端ない』と周りから言われたことはあまりなかったです。でも、今回のW杯で再び『大迫半端ない』が話題になった時に、（藤枝の）サポーターに『半端ないゴールを決めてよ』と言われる程度でした。

　それは僕があまり半端ないことをしていないからじゃないですかね（笑）。言われても全然腹は立ちませんよ。誇りに思っていますから」

　そう言って笑う希と、その姿を笑顔で見つめる鮫島。2人の話は予定時間を大幅にオーバーするほど盛り上がった。多くが笑顔で、時には真剣な表情を浮かべて。その雰囲気を見ただけでも、彼らの関係性が今も「半端ない」とひしひしと伝わってきた。