“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
大迫勇也の高校同期&後輩が知る、
「一番半端なかった」伝説とは。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/12/11 08:00
大迫勇也の高校時代を見続けてきた大迫希(左)と鮫島晃太。今はJ3藤枝でチームメートとして戦う。
J2、J3が主戦場となる中で。
2人はどうか。
希はロアッソ熊本に入団。J2で6シーズン戦ったのち、2015年にJFLのヴェルスパ大分に加入。翌2016年に藤枝に移籍し、10番としてプレーしている。
そして鮫島はサンフレッチェ広島に加入も怪我の影響もあり、約2シーズン半でリーグ戦出場はゼロ。2013年途中に当時J2のガイナーレ鳥取を経て、翌年にJ3長野パルセイロに移籍。
だが、そこでも出場機会が思うように得られず、2016年に希とともに藤枝に加わり、2016年はキャリアハイとなるリーグ30試合に出場。高校時代の輝きを取り戻そうとしている。
「正直、『若い時にJ2でもっとやっておけば良かった』と後悔することもあります。JFLとJ3を経験すると、しがみついてでもJ2にいないといけないと思うし、やっぱりJ2とJ3の間に大きな差があるんです。
僕はまだJ1でプレーしたことがないので、そこを目指し続けたいです。勇也はあそこまで突き抜けたからこそ、素直に応援している。だからこそ、俺も刺激をもらって、自分なりにもっと頑張らないといけない気持ちは持ち続けています」
「大迫さんに追いつきたい」
こう真剣な表情で語る希を鮫島はじっと見つめ、こう続けた。
「僕もノゾが言っていたみたいに『もっとこうしておけば良かった』というのはあります。J1→J2→J3と降りて来ている現状が僕の実力だと素直に認めて、ここからもう1回、階段を上っていけるように頑張らないといけない。今はチームで上に行きたいですし、その力になりたい。もちろん少しでもまだ大迫さんに追いつきたい気持ちは持っていますから」
端から見ると、勇也と2人のサッカー人生は好対照かもしれない。しかし、プロとしてサッカーに真剣に向き合っている姿勢は同じ。何より彼らの間には立場は違えど、変わらない信頼関係がある。