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大迫勇也の高校同期&後輩が知る、
「一番半端なかった」伝説とは。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2018/12/11 08:00

大迫勇也の高校同期&後輩が知る、「一番半端なかった」伝説とは。<Number Web> photograph by Takahito Ando

大迫勇也の高校時代を見続けてきた大迫希(左)と鮫島晃太。今はJ3藤枝でチームメートとして戦う。

宇佐美擁するガンバ相手に。

 高3の勇也と希、そして高1の鮫島。この代の鹿児島城西はまさに同校史上最強チームだった。

「絶対に負けない自信があった。高3になって、勇也に刺激を受けて僕らが変わった。勇也は高1からずっと目標が一緒なので、僕らがそこに引き上げられた感じです。一歩ずつ階段を上がる勇也に僕たちがついていく構図は変わらなかった」(希)

「ノゾ(希)の代は練習からレベルが相当高かったです。大迫さん、ノゾもだけど、周りも凄く上手い人が多かった」(鮫島)

 勇也に牽引された鹿児島城西はインターハイでベスト8、プリンスリーグ九州で優勝。高円宮杯全日本ユース選手権(現・高円宮杯プレミアリーグ)では、ラウンド16で宇佐美貴史擁するガンバ大阪ユースに4-3で勝利するなど、ベスト8に進出。またこの試合で勇也は圧巻のハットトリックを達成したのだ。

「あのガンバ戦の勇也は、高校3年間で一番“半端なかった”です。ガンバは何人も年代別日本代表がいるのに、それでも3人くらいに囲まれても、ドリブルではがしてゴールまで持っていく。あの時は『日本のトップを走っているガンバのようなレベルの選手が2、3人で掛かっても止められないの?』とプレーしながら衝撃を受けていました。やっている俺たちもニヤニヤしましたもん。『この打ち合い面白い!』と思いながら」(希)

10年後の3人の立ち位置。

 そして「大迫勇也の大会」となった第87回全国高校サッカー選手権大会。勇也のゴールラッシュとチームの攻守が噛み合い、準優勝を手にした。

 あれから10年の歳月が経ち、勇也は日本代表で不動のエースとなり、希と鮫島は再びチームメイトとなってJ3で戦っている。

 それぞれの人生は卒業後、三者三様だった。勇也は鹿島アントラーズに加入し、5シーズンプレー。そこからブンデス2部の1860ミュンヘン、翌シーズンには1部の名門ケルンへと移籍。日本代表にも定着し、ロシアW杯で文句なしの活躍を見せた。ブンデス1部5年目となるシーズンを新天地ブレーメンで迎え、森保ジャパンでも不動のエースストライカーである。

【次ページ】 J2、J3が主戦場となる中で。

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