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丸佳浩は“逆シリーズ男”なのか?
復活のカギは三振と四球にアリ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2018/10/31 11:30
FA宣言の噂も出ている丸佳浩。カープに対するチーム愛も人一倍の選手だけに、悩ましい今オフになりそうだ。
結果を残したい焦りが見える。
実はこの見立ては、相手のソフトバンクも同じである。
「ウチの柳田がやられているように、やっぱりこっちも丸に関しては要注意人物としてマークしなければならないのは分かっていましたからね。もちろんデータを含めて色々考えている」
こう語るのはソフトバンクの若田部健一投手コーチである。
「ただ、こっちの攻めがどうのこうのという以前に、打てる球をファウルにしたり、ボール球を振ってくれている。こういう大きな試合になると、どうしても結果を残したいとか、打ちたいという気持ちが出てしまってああいう結果になることが多いですからね。フォアボールが少ないのも、そのことが大きいと思います」
ボールをしっかり見切ってフォアボールを奪うことではなく、結果を求めて安打を打つことに気持ちがいっているのではないか。丸のような実績のある打者でも、ちょっと結果が出ないと自分の打撃を見失っていく。
それが日本シリーズの怖さなのである。
「しっかりと今日の試合を振り返って、反省してまた明日に生かせればいいなと思います」
こう語って帰りのバスに乗り込んだ丸。
マツダスタジアムでの1、2戦では広島投手陣に抑え込まれていたソフトバンクの柳田が、この試合では二塁打を含む2安打と復活の兆しを見せた。同じように丸も“逆シリーズ男”の汚名を返上して、敵地での反転攻勢のキーマンになれるのか。
カギは安打ではなく、三振と四球にある。