プレミアリーグの時間BACK NUMBER
モウリーニョは時代遅れではない。
マンUの停滞は采配以外の面にも。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto press
posted2018/10/27 17:00
ここ最近の表情は苦いものばかり。しかしモウリーニョならば、現状を打破する采配を見せるのではないか。
ダービー、CLで勝てるのか?
今日のサッカーでは重要度の高いSBは、昨夏の時点でバックアッパーを含めて一新された。ただ最終ライン全体で見ると心許ない。昨夏の移籍以来、説得力を欠くビクトル・リンデロフがスモーリングとCBコンビを組み、左SBショーの逆サイドに本来はウィンガーのアシュリー・ヤングが入るが、あわや失点という場面が多い。
マンUはユベントス戦、直前のチェルシー戦と同じ4バックで臨んだ。手堅い入り方を心掛けながらもリードを許して迎えた後半には攻勢を強める時間帯もあった。
だが、ユベントスは決勝点にも絡んだクリスティアーノ・ロナウドら攻撃面だけでなく、守備面でも明らかに上手だった。もしマンUの最終ラインに同レベルの安定性があれば、モウリーニョは最初からホームで積極姿勢を打ち出していただろう。
モウリーニョは10月の代表ウィーク中、今冬の移籍市場でターゲットとして新CB候補の観察に時間を割いたと、『サンデー・タイムズ』紙などで報じられている。
11月中旬の同ウィークの一部も、同じ目的に当てることになるのだろう。
ただその前には、国内ではマンチェスター・ダービー、CLではユベントスとのリターンマッチというビッグゲーム2連戦がある。
プレミアでのトップ4争い参戦とCL決勝トーナメント進出に影響を及ぼす連戦の結果次第では、監督交代の噂が再燃するのだろう。とはいえモウリーニョ留任か新監督が決まるかどちらにせよ、ターゲットと見られるカリドゥ・クリバリー(ナポリ)の獲得など、最終ライン中央のテコ入れは歓迎されるはずだ。
もちろん、そのような噂が再び騒ぎ立てられない状況が理想的ではある。筆者は、少なくとも今季いっぱいは現体制継続が妥当と理解している。モウリーニョは、一昔前も現在も、その能力を「賞味期限切れ」とし、その存在を「時代遅れ」とするような中傷的な見方には全く値しない。
腕自慢が集う現プレミア監督でも随一の実力者であると思えるから。