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つなぐも崩せずイングランドに敗北。
スペインはW杯惨敗から停滞したまま。
text by
吉田治良Jiro Yoshida
photograph byUniphoto press
posted2018/10/21 10:00
ポゼッションで圧倒しながら……というのはスペインの負けパターンだが、そこに変革の息吹はあるのか。
L・エンリケはもう正念場に。
L・エンリケが、いきなり正念場に立たされている。
複数ポジションをこなすユーティリティープレーヤーでありながら、闘争心を剥き出しに戦う現役時代のL・エンリケは、嫌いな選手ではなかった。むしろ好感を抱く選手のひとりだった。
マシア(バルサの下部組織の総称)の若手を蔑ろにしたとの批判もあるが、伝統のポゼッションスタイルにカウンター戦術を融合し、バルサのサッカーに新たな側面をもたらした指導者としての手腕も、高く評価されてしかるべきだろう。
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ジョルディの一件に代表されるように、性格的に偏屈な一面もあるとはいえ、
「代表のサッカーをアップデートさせる」
そんな就任時の意気込みを、個人的には信じたいとも思っている。
けれど、ふたたび世界の頂点に返り咲こうというその道のりは、彼自身が想像している以上に険しいのかもしれない。