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メルテザッカーの引退試合に思う
ドイツ代表の苦戦と問題の根本。
posted2018/10/21 08:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Uniphoto press
2018年10月13日、僕は北ドイツのハノーファーにいました。当日、この街の出身で、ドイツ代表DFとしても活躍したペア・メルテザッカーさんの引退試合が開催されるため、ハノーファーの本拠地であるHDIアレナを訪れたのです。
メルテザッカーさんはハノーファーやブレーメンなどに在籍し、2011年からの7年間はアーセナルでプレーしました。現役時代のハイライトはドイツ代表での輝かしい実績です。
2004年に当時チームを率いていたユルゲン・クリンスマン監督に初招集され、2006年の自国開催ワールドカップで3位に貢献。ヨアヒム・レーブ監督へと引き継がれた代表でもディフェンスラインの中軸を務め、2014年のブラジルワールドカップの優勝メンバーに名を連ねました。
今年34歳ですが、慢性的な膝の痛みに悩まされて昨季限りでアーセナルを退団、現役引退を表明して引退試合開催へ至ったのでした。
ベンゲル、バラックらが集結。
華やかな現役生活を象徴するように、引退試合にはビッグネームたちが集結しました。ハノーファー時代に関わった人たちで構成されたチーム、そしてアーセナル時代やドイツ代表時代に関わった人たちで組む世界選抜チームとの試合でしたが、世界選抜チームには壮麗なメンバーが勢揃い。
監督はベンゲル。引退組ではメッツェルダー、レーマン、バラック、現役ではピサーロ、クルーゼ(ともにブレーメン)、ナウド(シャルケ)、そして、ポドルスキ!
えっ!? 神戸からわざわざ来たの、と驚いて彼の姿を探したのですが見当たりません。パンフレットには写真付きで載っていましたが、さすがに国際Aマッチウィークとはいえ、シーズン中に引退試合のために日本からドイツまでは来られませんよね。
スタジアムには4万人以上の観衆が集結。これだけの方々に盛大に送り出されるのは、メルテザッカーさんの人徳によるものだと感じました。