サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「拓実、翔哉、律……勢いあるね」
原口元気がライバルを称えた理由。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/10/18 17:00
ウルグアイ戦では中島翔哉に代わっての途中出場だった原口元気。それでも表情からは余裕を感じる。
「俺は凄くワクワクしている」
ロシアW杯の後に初めて代表に参加するまでの間に、そうやって頭のなかが整理されたからこそ、目の前で若い選手たちが牙をむいて躍動する姿を見て、こう感じずにはいられなかった。
「ロシアW杯が終わった時点で、こんな状況になることを想像していなかったでしょう? 俺もビックリしているから。森保さんが監督になって3試合で、スーパーな活躍をする若い選手たちが次々と出てきた。
W杯で試合に出ていた選手たちがなんとなく試合に出続けるよりも、日本サッカーにとってよっぽど楽しいと思う。俺はこの状況に凄くワクワクしているからね」
原口が若い選手たちの活躍を手放しで喜んだのは、これまでの実績は一度脇に置いて、これからまた命をかけて勝ち取っていくべき目標があるからだ。
「これから先は苦しい試合も来るだろうし、そのときに助けられるように俺はやるだけ。みんなには勢いもあるけど、俺は負けるつもりはないからね。むしろ、彼らとポジションを争えるくらいのほうが楽しくて、この状況を本当に歓迎しているから。その方が面白いでしょう? こういう状況の方が俺は燃えるからね」
原口はそう言って、少し表情を崩した。
若きライバルたちを前に、大人を気取るつもりもない。かといって、焦るわけでもない。ポジションを勝ち取るために、全力で戦っていける環境があることに胸を高鳴らせている。
だからウルグアイ戦での若い選手たちの活躍を、心から喜んでいたのである。