フランス・フットボール通信BACK NUMBER
W杯中のフランス代表の日常生活。
メディア戦争、金、そして家族愛。
text by
フランソワ・ベルドネFrancois Verdenet
photograph byPierre Lahalle
posted2018/07/29 08:00
デシャン監督が綿密に隠していた練習風景。『フランス・フットボール』誌はあらゆる手段を使って、撮影を敢行した。
大会を戦いながら友人を励まし続けた。
自身がリハビリを続けるサン・ラファエルにある「CERS(ヨーロッパ・スポーツリハビリセンター=ブラジルのロナウドはじめ、多くのトップアスリートがここでリハビリを行った)」から、コシェルニーはマンダンダにメッセージを送り続けた。
彼を担当したのはジャンジョルジュ・セロエ。元マルセイユのトレーナーであり、マンダンダの友人でもある。この春にはマンダンダの足のリハビリも行っていた。
“Face Time(iPhoneのビデオ電話)”がふたりの通信手段であり、コシェルニーはマンダンダに吉報を送った。7週間のリハビリの後、彼は松葉杖なしでの暮らしが可能になったのだった。
「杖を燃やしてやるよ!」
コシェルニーは笑いながらマンダンダにそう語りかけてきたそうだ。
代表選手の家族、総勢139人が合宿地に。
6月26日、フランス代表の選手たちはグループリーグ突破を果たし、拍手のなかを宿泊先であるホテル「ヒルトン・ガーデンイン」に到着した。
無得点引き分けに終わったデンマーク戦は、彼らには過去の出来事だった。すでに家族も到着しており、合宿地での素晴らしい夜が始まったのだった。
まだ幼いミア・グリーズマンは、パパに甘えるためにその腕の中に躊躇なく飛び込んだ。妻と両親、子供たち、兄弟……グリーズマン一家のほぼ全員が宿泊地に顔を揃えた。
ムバッペファミリーもそれは同様で、イザベル・マテュイディは、3人の子供とともに満面の笑みを浮かべて夫を迎えた。監督夫人のクロード・デシャンは、テレビタレントのヌガイを従えての登場である。
だが、アディル・ラミの伴侶である女優のパメラ・アンダーソンは、ロシアには現れなかった。すでに多くの噂がメディアを行きかう中、敢えて混乱を避けたのだろう。
結局、この代表チームの《家族旅行》には139人が参加した。