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リバプールがCL王者に最も近い?
不動の前線3人に、完璧な戦力補強。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2018/07/29 11:30
プレミア得点王にしてリバプールの大黒柱モハメド・サラー。完璧な補強を受けて、さらに大きな目標を狙うシーズンになりそうだ。
最後方から前線までプレミア屈指。
昨シーズンまでストークでくすぶっていたシャキリとは明らかに別人だ。サラー、マネ、ワイナルドゥム、オクスレイド・チェンバレン、ビルヒル・ファンダイク、アンドリュー・ロバートソンなど、クロップ監督が積極的に勧誘した選手は大半が当たっているだけに、シャキリに対する期待は非常に大きい。
さらに、「元気な彼が戻ってきてくれて本当にうれしい」とクロップ監督が相好を崩したように、ダニエル・スタリッジの復活は明るいニュースだ。プレシーズンマッチでは激しいフォアチェックを披露し、相手DFとの間合いを図ったボールコントロールも見せた。
調子は明らかに上向き。スペースを欲さず、ワンタッチでゴールを決める感覚はだれもが認めるところだ。スーパーサブとして、貴重な役回りを演じたとしても不思議ではない。
GKと中盤、そして前線はプレミアリーグ屈指の戦力を整えた。右サイドバックもトレント・アレクサンダー・アーノルド、ナサニエル・クライン、ファビーニョと3枚も擁している。センターバックもファンダイクを軸に、デヤン・ロブレン、ジョー・ゴメス、ジョエル・マティプ、ラグナル・クラバンを揃えるまずまずの陣容だ。
ワールドカップ組が少ないのも朗報。
従って、プレミアリーグ内の移籍市場が閉鎖する8月9日までに獲得するなら、左サイドバックだ。ロバートソンは超一流を狙える逸材だが、バックアップがアルベルト・モレノでは心もとない。
戦術理解度が高いライアン・バートランド(サウサンプトン)に狙いを絞ってもいいだろう。また、チーム内の序列が下がったカリウス、マルコ・グルイッチ、ラザル・マルコビッチ、ディボク・オリジ、移籍を希望しているダニー・イングスは迅速にビジネスをまとめ、経費削減の対象とすべきだ。
そしてなにより、大半の主力が開幕に照準をセットできる。ワールドカップの影響で、無理強いできないのはヘンダーソンとロブレンだけだ。トッテナムは9人、マンチェスターの両チームが7人、チェルシーも5人が8月中はベンチスタート、もしくは別メニューの調整に充てざるを得ない状況を考慮すると、戦闘態勢の整ったリバプールが最高のスタートダッシュを切る可能性は非常に高い。