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リバプールがCL王者に最も近い?
不動の前線3人に、完璧な戦力補強。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2018/07/29 11:30
プレミア得点王にしてリバプールの大黒柱モハメド・サラー。完璧な補強を受けて、さらに大きな目標を狙うシーズンになりそうだ。
ジェラードの背番号8を受け継いだケイタ。
ヘンダーソン、ジェイムズ・ミルナー、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、アダム・ララーナと、タイプの異なるタレントを揃える中盤に、ケイタとファビーニョが加わった。「おちおち休んでいられるか」というヘンダーソンの心情は、よく理解できる。
おそらくミルナーもワイナルドゥムもララーナも、同じ気持ちでプレシーズンマッチに臨んでいるのだろう。とくにミルナーの動きには覚悟が感じられた。
当然、新戦力も刺激を受けている。スティーブン・ジェラードの背番号8を受け継いだケイタは、豊富な運動量を駆使して攻守に貢献し、ファビーニョのポジショニングは相変わらず絶妙だ。
しかも中盤インサイド、アンカー、右サイドバックにも適応できる万能型であるため、その汎用性によってカードの切り方は柔軟になるはずだ。リバプールのカギを握るひとり、といって差し支えない。
クロップの信頼があついフロント3。
サマーキャンプで右膝に重傷を負い、今シーズン中の復帰が絶望的になったアレックス・オクスレイド・チェンバレンは気の毒だが、それでもリバプールの中盤は6人の実力者が3つのポジションを争う狭き門だ。既存戦力が定位置を勝ち取るのか、ふたりのニューカマーがクロップ監督の信頼を得るのか。興味深いバトルはすでに始まっている。
よほどのことがない限り、フロント3は健在だ。モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネのポジションを脅かす選手は、世界広しといえど多くない。
クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシはクロップ監督のカラーに合わず、キリアン・ムバッペも同様だ。彼らの実力は認めるものの、リバプールが奏でるヘビーメタルについてこられるとは思えない。
さて、フロント3の牙城を崩せなかったとしても、シャキリの存在は心強い。独力での局面打開、高精度の左足は貴重なアイテムであり、リバプールならではの伝統にプライドがくすぐられているはずだ。