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大谷、ダルじゃなくて松坂大輔を!
2018年オールスター観戦ぶらり旅。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2018/07/23 11:00
京セラドームの外は恐ろしいほどの酷暑。『めっちゃ果物ソーダ』(氷+ソーダ+果肉)のみかん味で、身体も心も涼しく!
冷房完備の球場に……大感謝である。
「本物の松坂が投げてるで~」
「横浜高校で甲子園に出たのいつやろ?」
京セラドーム三塁側内野席に着くと、近くの熟年夫婦が全セ先発マウンドへ上がった中日の背番号99を眺め、そんな会話を交わしていた。
決勝戦ノーヒットノーランの甲子園は20年前です、と心の中で呟きながら『めっちゃ果物ソーダ』のみかん味を一気飲み。氷とサイダーとみかんのトリプルスリーコラボ、美味いでコレと無意味にエセ関西弁でシャウトする。
さらに大阪と言えばやっぱりこれだろうとイージーな選択で球場内売店のたこ焼きを食べた。素朴なやさしいソースの味。疲れが一気に和らぐ。
今夜ばかりは冷房完備の球場に感謝したい。
熱帯日本列島、マジでそろそろ夏の高校野球の開催時期を考えないと、深刻な事故が起きてからじゃ遅いっすよ――そんなことを考えると同時に、もし屋根とクーラーと球数制限があったら、'98年夏の甲子園で松坂大輔がもたらしたドラマの数々は成立しなかっただろう、とも思ってしまう。もちろんドラマ性より競技性だが、高校野球も時代に合った変化が求められているのは確かだろう。
1999年の球宴は恐ろしく豪華だった。
いや、プロ野球のオールスター戦だってそうさ。
19年前の松坂や上原がルーキーだった'99年球宴の映像を見ると恐ろしく豪華だ。
表彰台には彼らに加えてまだ20代中盤のイチローや松井秀喜といったスーパースターたちも顔を揃える。
やはり、セ・パ交流戦や国際試合のWBCが始まった2000年代中盤を境に夏の祭典の立ち位置も変わったのだろうか?
いや、それよりもう少し前で「NPBトッププレーヤーのメジャー移籍」の影響がやはり大きかった気がする。
今思えば、野茂英雄が道を切り開き、伊良部秀輝や佐々木主浩があとに続き、ついに平成プロ野球の象徴イチローと松井秀喜が相次いで海を渡った21世紀初頭がターニングポイントだった。