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大谷、ダルじゃなくて松坂大輔を!
2018年オールスター観戦ぶらり旅。
posted2018/07/23 11:00
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
野球ファンは時々、誰が何勝挙げたとか、防御率が下がったとか、目の前の結果を追うのに疲れる日がある。長いペナントレース、たまには息抜きさせてください……。そんな時に絶妙なタイミングで開催されるのが真夏の祭典、オールスターゲームである。
「俺がプロ野球選手なら、二軍降格してるかもしれないな……」
7月13日午後2時過ぎ、目を覚まして唖然とした。京セラドームの球宴第1戦を観戦するために、正午あたりに東京駅から新幹線に乗って新大阪へ向かうはずだったからだ。
そう言えば、阪神時代の新庄剛志は練習に遅刻して炎天下のグラウンドで正座を命じられていた――あれも現代ならコンプライアンス的に監督がクビになる気がする。プロ野球界は変わり、時代も変わった。そんな“今のオールスター”を球場で体験してみたい。
近年は2013年第2戦の神宮球場、2015年第1戦の東京ドームと都内開催のシーズンは球場へ行っていたが、首都圏以外のオールスターを現地観戦するのは初めて……と思ったら、派手に寝坊だ。「朝まで原稿を書いてたもので」なんつって虚空に向かって言い訳しても、叱ってくれる美人上司はどこにもいない。
悲しいことにフリー稼業はすべて自己責任である。気軽に仕事の愚痴を言い合える相手がいる有りがたさと貴重さは、失くしてみて初めて気が付く。
中日、日本ハム、巨人と多様な客層。
とりあえず顔を洗いリュックに荷物を詰め込み東京駅へ急ぐ。
午後3時半の新大阪行き新幹線“のぞみ”車内は、中日ユニフォーム姿のおじさん、動画を肴に何やら盛り上がる日本ハムユニフォーム姿の女性2人組、巨人イープラスナイター特典のスガコバTシャツの自分と、すでに多くの人がオールスターモードだった。