ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
オシムがコロンビア戦に見る希望。
「岡崎と乾、香川。そこに本田も」
posted2018/06/18 11:30
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
イビチャ・オシムは現在、グラーツに滞在している。当初は日本対パラグアイ戦を観戦にインスブルックまで出向くことも考えたが、最終的には自宅でのテレビ観戦となった。
西野ジャパンが初勝利をあげた試合を、オシムはどう見たのか。
中継がライブではなく、モスクワから電話をかけたときには彼の家ではまだ試合は終わっていなかった。そのことに筆者が気づかなかったため、途中まで会話は少しちぐはぐになっている。読者の皆さんには、そこを踏まえて読んでいただきたい。
1点目はとりわけ素晴らしかった。
――元気ですか。ようやく日本が勝ちました。
「日本は良くなった。ずっとアグレッシブになった。前半は躊躇いがちで、成り行きを見守る様子があり、運悪く失点を喫した。展開がそうなるとちょっと難しい。特にワールドカップでは先制点は致命的だ。
だが、ここまでに日本は大きな進化を遂げた。攻撃的なプレーができるようになり、得点も決めたうえにさらに幾つかの決定機を作った。それだけで悪くない。
パラグアイのようなチームに対しては、喉元にナイフを突きつけるような戦い方をするべきではない。よく頭を働かせて、相手と同じように慎重になるべきだ。彼らは待ち構えて自分たちからは出てこない。後方に退いてカウンターの機会を窺っている。そうしたことすべてに対処しなければならない。
しかし同時に自分たちが危険な存在であることも示さねばならない。待っているだけではチャンスは訪れず、試合に勝てないからだ。ゴールはいずれも素晴らしかった。とりわけ1点目は素晴らしい位置取りから、岡崎ではなかったが……」