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オシムがコロンビア戦に見る希望。
「岡崎と乾、香川。そこに本田も」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2018/06/18 11:30
パラグアイ戦で2ゴールを挙げた乾貴士。香川真司とのコンビネーションはオシムも高く買っている。
屈強なFWがいないことが常に弱点だ。
――香川が点を決めましたね(ここでようやくまだ試合中であることに気づく)。
「GKもちょっとまずかった。ああいう反応はワールドカップではあり得ない。もっと冷静に対処するべきだった。しっかり予測すればそう難しいシュートではない。しばしばこういう状況にはなるが……キーパーがこうも簡単に失点しては戦うのは難しい。追いつくのは簡単ではない」
――香川は代表では9カ月先発出場がありませんでした。
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「香川は、もっと良くなるだろう。彼のコンディションがどうなのかよくわからないが、とても危険な選手であるのは間違いない。ただ、以前の彼の方が今よりずっと良かったし、チームの中での重要度も高かった。彼の出来がいいときは、チーム全体が彼とともに連動して、通常ではあり得ないパフォーマンスを実現していた。とはいえ卓越したゲームメイカーで、ドリブル、パス、シュートのテクニック、どれをとっても一級品だ。彼が調子を上げて、岡崎ももっと危険な存在になると日本は面白い。
乾もまた危険だ。彼は何をするか予測がつかない。何をしだすかわからない犬のようだ。彼のように興味深い選手がこのチームには何人もいる。彼らがプラスアルファをもたらすことを願っている」
――本田はかつての力はもはやないと懸念されています。
「本田のことももちろん忘れてはいない。彼はチームが厳しい状況に置かれたときに、冷静に対処して打開できる選手だ。キープ力と破壊力のあるシュートがあり、パスもキッチリと出せる。視野も広く、状況を把握する能力も高い。
岡崎と乾、香川がうまく連動すれば、相手にとって大きな脅威になる。そこに本田も絡むことができたら……。他の選手たちも彼らの力をうまく利用できる。ただ、日本には、屈強なフォワードがいないことが常に弱点だ。ときにひとりで試合を決めることができるフォワードが。
とはいえ西野監督は選手の特質をよく理解している。彼なら選手たちから最大限の力を引き出すことができるだろう。
日本の皆さんにくれぐれもよろしく伝えてくれ」
――わかりました。メルシー、イバン。