ぶら野球BACK NUMBER
宇都宮餃子と岡本和真のHRを堪能!
風に吹かれて男のぶらり野球ふたり旅。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2018/06/03 11:30
宇都宮駅前にはドーンと「ようこそ! 餃子の街へ!」という看板が。餃子をガッツリ食べて野球観戦……至福である。
宇都宮駅西口を出ると……そこはまさに夢の街!
なんじゃこりゃああああっ!
思わず、宇都宮駅西口を出て心の中で絶叫する。
大げさではなく餃子屋だらけ。
まさに夢の街。
店がいくつか連なっていたので、とりあえず駅前の名物『宇都宮餃子館 健太餃子』の焼きと揚げとライスを注文する。数分待って口にした餃子は王道だった。いくつ食べても不思議と飽きない味。そんな料理は簡単なようで難しいと思う。腹一杯食べて700円と値段もリーズナブル。美味い安い早い。
到着30分で満足した俺はシャトルバス乗り場を探す。落ち着いて周囲の景色を見ると、路線バスの行き先で「ツインリンクもてぎ」とあった。そう言えば、中学校の遠足で行ったな……なんて懐かしい記憶が甦る。一緒に自転車を漕いだアヤちゃんも今頃結婚して母親にでもなってるのかなぁ。埼玉生まれの自分にとって、関東近郊のぶらり旅は過去と出会う旅でもある。
関東近郊の巨人人気はいまだ健在。
宇都宮駅から清原球場までは結構距離がありバスで30分近く掛かるが、東口前から球場行きの無料シャトルバスが出ていた(ちなみにタクシーだと3000円ほどする)。車窓からのどかな田園風景を眺め、当たり前に過ぎ行く毎日からしばし解放。
今回の旅は日帰りなので、あえてノートパソコンは持ってこなかった。地方開催の場合、地域によっては巨大な総合運動公園の端に球場があったりするので、到着したと思ってもかなり歩くケースも珍しくない。だが清原球場は駅からの乗車時間こそ長めだが、バスから降りたらすぐ目の前が球場なので快適だ。
「野球で愉快だ宇都宮」
そんなカラフルなフラッグが風にはためいている。
宇都宮焼そばや佐野ラーメンの屋台にはジャイアンツやカープのユニフォームを着たファンが並び、甘いソースの祭りの匂いが漂ってくる。
球界再編後、地元にプロ野球球団が定着した仙台や札幌とは違って、関東近郊はいまだに巨人人気が根強い。自分たちの街に巨人軍が来る。そんな年に1度のビッグイベントにお祭り感覚で家族連れやカップルが集結。なにより、“野球離れ”という言葉が信じられないほど、野球帽を被った子どもたちの姿が多い。