ぶら野球BACK NUMBER
宇都宮餃子と岡本和真のHRを堪能!
風に吹かれて男のぶらり野球ふたり旅。
posted2018/06/03 11:30
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
数年前に流行った“女子会”という言葉を聞く度に少し羨ましかった。
なぜなら、基本的に“男子会”は成立しないからだ。
学生時代に学食で集まるならまだしも、社会人になって、しかも30歳を過ぎて男の集団でカフェでランチという風景は異様だ。代官山のどんな小綺麗な店も、一瞬で水道橋のサウナのような暑苦しい雰囲気になってしまう。
旅行も同じである。女性グループはよく見かけても、大人の男だけで旅行というのはほとんどない。俺らが日常で優先すべきは、仕事であり、可愛いおネエちゃんだからだ。けど、時にそれ以外の何かを見つけたくなる。
「俺も『ぶら野球』みたいに地方球場で野球見たいんですよねぇ」
先日、同世代の野球観戦仲間のひとりが東京ドームの一塁側内野席でそんな言葉を呟いた。
おぉいいっすね。
思わず即答する。
2シーズン目に入ったこの連載は基本的に大人のぶらりひとり旅だったが、たまにはアラフォー巨人ファン同士の“男旅”というコンセプトも面白いかもしれない。ちょうどタイミング良く5月22日の火曜日に年に1度の宇都宮清原球場での巨人vs.広島戦がある。とは言っても、お互い働き盛り。さすがに平日の真っ昼間に東京から一緒にというわけにもいかず、現地で球場合流することになった。
いざ、漢のぶら野球へ出発だ!
新幹線でわずか50分、宇都宮餃子の洗礼。
前夜、スマホでググってみて驚いたのだが、東京駅から宇都宮駅まで新幹線やまびこに乗れば片道たったの50分弱。運賃は指定席を買っても往復で1万円を切る。午後に家を出ても余裕で間に合うし、最終の新幹線は23時近くまであるから試合を最後まで見ても充分日帰り可能な距離である。
翌22日の昼過ぎ、目一杯腹を空かして“やまびこ”に乗った。車内でスポーツ報知の打率ランキングまで熟読していたら、すぐ目的地に到着だ。
死ぬほど空腹、よし、とにかくまずは餃子しかない。だって、餃子の街・宇都宮だよ。
昔からプロ野球以外でこれだけは譲れない人生の大事なものBIG3は「ギョウザ・ウイイレ・篠崎愛」だった。ってそれでいいのか俺の人生……じゃなくて、とにかく本場の味を求めて街へ出る。