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今季の畑岡奈紗は優勝争いの常連へ。
予選落ち連発の昨季からなぜ急成長?
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2018/05/29 17:00
今季は出場する大会で堂々と優勝争いできるまでに急成長した畑岡奈紗。この19歳のポテンシャルには、恐るべきものがある。
小学生から中学生前半までに様々なスポーツを。
日本ゴルフ協会のナショナルチーム・フィジカルコーチを務める栖原弘和氏は断言する。
「ジュニアの頃に別のスポーツをしたゴルファーは伸び代が大きい」
「速く走る、力強くモノ(ゴルフクラブ、バット、ラケットなど)を振る」という能力は、小学生から中学生前半ぐらいまでに一番養われるという。
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そのことを知ってか知らないでか、畑岡は小学校高学年で野球を、中学校ではゴルフと並行して陸上の短距離走をやった。素早く筋肉を動かす能力を、最適な期間に養ったのである。
男子のジョーダン・スピース(野球)、ダスティン・ジョンソン(バスケットボール)、女子のブルック・ヘンダーソン(アイスホッケー)、ジュタヌガーン姉妹(水泳、テニス)など、畑岡以外にも、学生時代に別の競技を経験してから、トップレベルで活躍するゴルファーは、すでに何人もいる。
スクワットで100kgのウエイトを上げられる!
畑岡は高校時代にナショナルチームに選ばれると、栖原氏のサポート下で本格的にトレーニングを始めた。
ナショナルチームでは、ゴルファーに特化したメニューを組んでいる。
例えば、地面を蹴る瞬発力とパワーが強いほど、力強いスイングが出来る。そのためには、筋力を鍛えて、スピードをつけ、パワーに転換することが効果的だ。
「『ちょっとやりすぎだよ』とトレーニング量をこちらがセーブするぐらい」畑岡のトレーニングに対する意欲は高いと栖原氏が言う。
「ナショナルチームやプロを含めて女子ゴルファー50選手以上を見てきましたが、今までにスクワットで100kgのウエイトを正しいフォームで上げることができたのは、畑岡だけ」と感心する。
約10年という歳月をかけて、強靭な体を作り上げたことが、世界レベルのショットに繋がっている。