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バンディエラの引き際はいつも困難?
トッティが“ローマ王”から追放。

posted2016/03/10 10:30

 
バンディエラの引き際はいつも困難?トッティが“ローマ王”から追放。<Number Web> photograph by AFLO

招集外となり、スタンドからパレルモ戦を観戦したトッティ。こんな風に視線を集めるのが彼の望みであるはずがない。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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AFLO

 引退か、現役続行か。

“永遠の都のバンディエラ”の去就が定まらない。

 ローマ一筋24年目の主将トッティは、キャリアの大きな岐路に立っている。

 発端は先月20日、26節パレルモ戦を翌日に控え、国営放送RAIのインタビューを受けたトッティが「このクラブに長年尽くしてきた俺に対して、(スパレッティ監督は)もう少し敬意を払ってほしい」と、起用法への不満をぶちまけたことだった。今年1月にスパレッティが就任して以来、トッティの出場はこの時点で2試合のみ、プレー時間もわずか35分間に留まっていた。

「監督との対話? 練習の前後に『ブオンジョルノ』と『ブオナセーラ』と言い交すだけさ」

 朝夕の形式ばった挨拶言葉を並べることで、トッティは指揮官との冷えた関係も示唆した。「今の状況に納得できない」とも述べたトッティは、6月末で切れる契約にも触れ、現役引退や国外移籍も含むあらゆる選択肢を視野に入れる、とまで言ってのけた。

 放送されたインタビューを見たスパレッティは、毅然とした対応をとった。

 試合当日の朝、トッティをオフィスに呼び出すと「君を招集から外す。家へ帰っていいぞ」と通告。ローマは主将抜きのパレルモ戦で5-0の大勝を挙げた。

 いかにロマニスタたちから愛されるチームの旗頭“バンディエラ”であろうと、クラブ内における権力闘争を仕掛けてきたトッティの利己的な態度と驕りを、指揮官は許さなかった。

王であるはずのトッティを追放したスパレッティ。

 ローマにおけるトッティが、もはや“プリンチペ(=王子)”ではなく、“レ(=王)”と呼ばれるようになって久しい。

 下町界隈から本拠地オリンピコに至るまで、ローマ民衆の絶大な人気を集める王様トッティにとって、実務を司る監督たちはいわば任期制の執政官のようなものだ。7年ぶりにローマへ復帰したスパレッティに、トッティ王が“追放”された事件は高い関心を集め、イタリア中でトッティ派とスパレッティ派が熱い議論を交わすことになった。

【次ページ】 トッティ派とスパレッティ派が熾烈な論争に。

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