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どこよりも早い来季プレミア展望。
本命シティ対抗リバプール、他は? 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2018/05/19 17:00

どこよりも早い来季プレミア展望。本命シティ対抗リバプール、他は?<Number Web> photograph by Getty Images

今季プレミアの主役となったリバプールのサラーとシティのデブライネ。W杯後のシーズンも彼らが盛り上げるはずだ。

トッテナムは投資さえすれば……。

 チェルシーとアーセナルに比較すれば、トッテナムは戦力に恵まれている。ウォーカーがシティに移籍しても、トビー・アルデルバイレルトとダニー・ローズが負傷のために長期欠場しても、ある程度のローテーションが可能なほどの陣容だ。中盤と前線にもタイプの異なるタレントを揃え、ハリー・ケイン、クリスティアン・エリクセンというスターまで擁している。ただ、選手層が薄い。

 なぜならダニエル・リービー会長が、「補強は必要最小限」という方針を貫いてきたからだ。ダビンソン・サンチェスを獲得した昨夏も移籍市場では静観を決め込み、待遇面に不満を抱くアルデルバイレルトとローズの退団が避けられそうにない今夏も、リービー会長がプランを変更する予定はない。シティが周到な準備で今シーズンを制したにもかかわらず、どこ吹く風だ。

 現場をあずかるマウリシオ・ポチェッティーノ監督にすれば、必要最小限の補強は消極的にも映る。シティと勝負したいのなら、積極的な投資も考えなくてはならない。来シーズン、ポチェッティーノ体制は5年目を迎える。いうなれば正念場。タイトル獲得は会長の出方次第だ。

マンUは数字こそ向上しているが。

 順位:6位→2位、勝点:69→81、勝利:18→25、得点:54→68、失点:29→28。

 ジョゼ・モウリーニョ体制下のマンチェスター・ユナイテッドは、あらゆる数字で1シーズン目を上まわった。

「われわれの成長は数字が証明している」

 強気な指揮官が胸を張ったように、勝点81は通常のシーズンなら最終盤まで優勝を争うデータであり、2015-16シーズンのレスターは同じ数字で頂点に立った。

 しかし、68得点はリーグ5位にすぎず、昨シーズンの54得点を基準にすること自体が恥ずかしい。また、モチベーションの乱高下に関しては一切言及していないが、0-2のビハインドを覆したマンチェスター・ダービーと、あまりに無気力だった第31節のウェストハム戦が、果たして同じチームと言えるのか。

 さらにニューカッスル、ハダーズフィールド、ブライトンの昇格3チームとのアウェーゲームですべて敗れたことなどは、醜態以外の何物でもない。

【次ページ】 モウリーニョはモウリーニョだ。

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