フランス・フットボール通信BACK NUMBER
アッレグリ? ジダン? それとも……。
そろそろPSGは監督を新しくするべき。
text by
クリストフ・ラルシェChristophe Larcher
photograph byAlain Mounic
posted2018/03/29 11:15
左から、アンチェロッティ(前バイエルン監督)、アッレグリ(ユベントス監督)、ジダン(レアル・マドリー監督)。
第一級の戦術家にしてファッショナブルな男。
●マッシミリアーノ・アッレグリ(イタリア、50歳)
厳かな表情でイタリア流ファッションを常に身に纏っている彼の実績は十分。
この8年間はミランで4年、ユベントスで4年指揮をとり、4度のスクデット獲得。今季も5度目のスクデットに向けて戦いの真っ最中である。それに2度のチャンピオンズリーグ決勝進出が加わる。
ユーベとの契約は2020年までだが本人はプレミアリーグ行きを希望。ただしPSGからのオファーには常に注意を払っている。
◆FFの評価
第一級の戦術家であり、ロッカールームでスター選手の目を真っ直ぐに見ながら話ができる監督でもある。
ミランではイブラヒモビッチやチアゴ・シウバ、ユーベではブッフォンやディバラらと彼はそのようにコミュニケーションを取ってきた。
オープンな性格ではない。だが、ティフォジやメディア、ビッグクラブの首脳たちのプレッシャーに、反発することなく彼のように長きにわたり耐え続けることは、他の誰にもできない。
★PSGへの貢献可能性=7/10
バルセロナで世界最高のステイタスを得た男。
●ルイス・エンリケ(スペイン、47歳)
この1年を休養にあてた。バルセロナの監督を3シーズン務めたのだから、それもやむを得ないだろう。
2014~17年の間に9つのタイトルを獲得。その中にはチャンピオンズリーグ優勝(2015年)と2度のリーガ優勝が含まれている。
バルサでMSNの指揮を執ったのは彼の功績だが、リオネル・メッシとの関係は一時冷え切った。また、その気性の激しさから、記者会見では常に肉体同士がぶつかりあうような激しい火花が散っていた。
ネイマールとも3年をともに過ごし、バルセロナのサッカー文化にうまく適応させた。ただし2017年5月には、アシスタントコーチのファンカルロス・ウンスエが、「今のようなことを続けるならば、君はロナウジーニョと同じ運命を辿る」とネイマールに語り軋轢が生じた。
◆FFの評価
ネイマールの類まれな才能と病的なまでの自我の強さを理解しているのは大きなアドバンテージである。ネイマールが今後もPSGでプレーし続けるならば、ふたつの強烈な個性は互いをよく認めながらやっていけるだろう。
攻撃サッカーを信奉するエンリケは、PSGがバルサに喫した世紀の逆転劇(1-6で敗北)の監督でもある。サポーターにはトラウマかも知れないが、強烈なファイティングスピリットをPSGに植えつけてくれるだろう。
★PSGへの貢献可能性=7/10