フランス・フットボール通信BACK NUMBER
アッレグリ? ジダン? それとも……。
そろそろPSGは監督を新しくするべき。
text by
クリストフ・ラルシェChristophe Larcher
photograph byAlain Mounic
posted2018/03/29 11:15
左から、アンチェロッティ(前バイエルン監督)、アッレグリ(ユベントス監督)、ジダン(レアル・マドリー監督)。
フランス人として伝説の選手だった男。
●ジネディーヌ・ジダン(フランス、45歳)
この2年とちょっとの間に、彼はベンチのマスターとなった。
その生来のオーラと、プレーに関する戦術的インスピレーションは輝くばかりだった。主力選手たちを的確に評価した彼のレアルは、考え抜かれた流動的なスタイルでヨーロッパを席巻した。
その結果がチャンピオンズリーグ2連覇であり、今季もラウンド16に進出し、PSGに苦い教訓を与えながら3連覇を目指している。
パルク・デ・プランスでの第2戦終了後に関係者たちと交わした抱擁が、PSGとの結びつきの強さを物語っている。
◆FFの評価
ジダンはPSGに何をもたらすことができるのか。誰からも愛され、とりわけクリスティアーノ・ロナウドから絶大な信頼を寄せられている彼はマドリードの生活を心から満喫し、クラブとの契約も2020年まで残っている。
たしかに今、リーガでは微妙な状況にあるが、契約更新はあっても解任はあり得ないだろう。フロレンティーノ・ペレス会長も、クラブの象徴に処罰を与える意志はまったく示していない。
PSGへの移籍の可能性があるとすれば、ペレス会長がロッカールームの改革を求めたときだろう。CR7とベンゼマ、ベイルらの関係の再構築を迫られ、それに納得ができなければ、さすがのジダンもレアルを去るだろう。
★PSGへの貢献可能性=6/10
実力は十分だが……ステイタスに欠ける男。
●マウリシオ・ポチェッティーノ(アルゼンチン、46歳)
監督としての実績はほぼ皆無(1度のリーグカップ決勝進出のみ)。しかし指導者としての能力は、トッテナムのプレー密度の濃さに何よりも現れている。
昨季のプレミアリーグを2位で終えたスパーズは、今季もチャンピオンズリーグ・ラウンド16でユベントスをあと一歩のところまで追い詰めた。
現役時代はディフェンダーとしてPSGでのプレー経験もある(2001~'03年)ポチェッティーノは、スパーズの監督に就任して4年目のシーズンを迎えている。トップレベルの監督のスパンとしては、そろそろ環境の変えどきであるといえる。よりグローバルで野心的なクラブで働きたいとは思わないだろうか?
とはいえスパーズには新スタジアム建設の予定があり、今のチームは大きな進歩の余地がある。契約は2021年まで。破棄してまでクラブを替わるのは簡単ではないだろう。
◆FFの評価
彼を招聘するアイディアそのものは魅力的。PSGを良く知り、ロッカールームのラテン的な雰囲気にもすぐに慣れる。ただ、ナセル・アルケライフィPSG会長が求める国際的な実績を彼は持っていない。ウナイ・エメリ現監督が2016年に就任した際のキャリアにも届いてはいない。候補者のレベルに達していないと言わざるを得ない。
★PSGへの貢献可能性=5/10