Jをめぐる冒険BACK NUMBER
オシムと羽生直剛の師弟関係は今も。
「出会えた奇跡が嬉しいし、怖い」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKiichi Matsumoto
posted2018/03/10 08:00
インタビュー取材に応じてくれた羽生直剛。朗らかな笑顔が印象的だった。
「羽生と仕事したい」となるように。
――やるんですか?
「そのつもりです。まずはディエゴ・オリヴェイラの引っ越しの手伝いをしましたし(笑)。クラブをもっと広く見てみたいし、みんながどんな気持ちで働いているのか知りたいなって。もっとこうしたほうがいいのに、と思っているなら、僕ならそれを(大金直樹)社長に伝えやすいとも思うし。それがこのクラブを強くしていくことにつながると思うから」
――組織の中で働くことの難しさも痛感するかもしれませんね。
「すでに感じてもいますけど(笑)、でも、1年で何ができるか試されていると思っているし、そうであってほしいとも思っています。1年後、俺はこういう仕事をしました、と胸を張れるようになっていたいし、もう1年お願いします、と言われるようになっていたい」
――そういう意味では、現役時代と立場は変わらないですね。
「これまで個人で勝負してきて、道を切り開いてきたわけだから、クラブの中に入っても、プロとしてやってきた感覚をなくさず、言うことは言っていきたいと思っています。組織としての理想は、ビジネススタッフも含めて全員がプロの集団になること。
例えば、スクールのコーチに、小学生を教えるのが日本で一番上手い人がいたなら、その人がクラブから最も評価される、そんな組織であってほしい。そのためにも、まずは1年、全力でやって、周りの人に『引き続き羽生と一緒に仕事がしたい』と思ってもらえるように、良い意味でかき回したいですね」
――楽しみにしています。
「ありがとうございます。1年後、『居心地がいいから、ここでのんびりやります』なんて言っていないように、頑張ります(笑)」