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森岡隆三監督が語る2年目のJ3攻略。
鳥取に「悪くない」はもう要らない。
posted2018/03/09 17:00
text by
森岡隆三Ryuzo Morioka
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
今年一発目の練習試合は雪のため中止になった。
1月、2月の鳥取地方は日本海側ということもあるのか風が強く、雪も降り、しばれる寒さのなか、トレーニングをしている。そしてそんな気候は指導者泣かせだ。
プレシーズン、新たな選手も入り、チームのプレースタイルを共有すべく、フリーズコーチング(練習の最中に選手のプレーを止めて、指示を出すこと)をしたくても、プレーを止めれば、その名の通り、汗が冷え凍ってしまいそうなほどに寒く、ピッチの外から大声を出しても風でかき消されてしまうからだ。
現役時代は、シーズン前に温暖な九州などでのキャンプがあった。けれど、ガイナーレ鳥取にその予算はない。一泊二日の遠征を一度実施しただけだ。鳥取に来てくれるチームも少なく、チームコンディションをあげるには、練習試合はとても貴重な機会だが、それを悪天候によって、奪われてしまったわけだ。
でも、2年目のゆとりか慣れか、気持ちはしっかり切り替えられるようになった。
実際、結果が全ての世界、環境の悪さを口にすれば、泣き言にこそなれ、言い訳にも何にもならず、腐ってる暇なんてないのだ。
自分の目で選んだ10数人の選手が加入。
中国地方の日本海側唯一のJリーグチームであるガイナーレ鳥取。そのチームの監督を今シーズンも務めることになった。
クラブは、選手がよいコンディションで試合に臨めるようにと考えてくれている。今季はアウェイへの移動もバスではなく電車を利用できるようになった。栄養面に配慮した食事を摂れるよう、クラブハウスでの昼食提供も始まった。そういうクラブの努力に今年こそ応えなければならない。
トライアウトへ足を運び、練習生を受け入れて、実際に私の目で選んだ選手が今季10数名加入した。プレーだけでなく、その人間性も理解したうえで獲得できたと思う。
ブラジルのサントスFCからも、2人の選手がやってきた。20歳と若い彼らは、ピッチのうえでチームメイトに「もっとこうしてほしい」とさまざまな要求をする。その自己主張の強い外国人選手の存在が、周囲にいい影響を与え、お互いが文句ではなく、要求をし合う空気が生まれたと感じている。