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ボールボーイ事件、頷く大杉漣さん。
馬渡和彰、徳島での後悔を胸にJ1へ。
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/02 08:00
時が経てば、躓いた過去も未来へのステップとなる。馬渡のような選手こそ、サポーターは応援するのだ。
「J1で活躍することが目標なので」
準備の第一歩は開幕戦翌日、大学チーム相手の練習試合だった。左サイドバックで先発し、後半は右サイドバックに移って、CKとオーバーラップからのクロスで2アシスト。試合後には城福監督からパスの受け方などについて指摘され、その後は居残りで直接FKを蹴り、鋭いキックでネットを揺らした。
「監督に気にかけてもらって、期待を感じます。自分に負けないようにサッカーと真摯に向き合い、チャンスが来るまで腐らずやって、結果を出して食い込んでいきたいです。J1に来ることが目標ではなく、J1で活躍することが目標なので、序列を覆したい。広島でJ1のタイトルを取りたいし、ACLにも出たいし、日本代表だってあきらめたくない。まだまだ、ここで終わりたくないです」
第2節は3月4日、アウェーでの浦和レッズ戦。馬渡にとってJ1デビューが懸かる一戦にはもう1つ、大きなモチベーションが加わる。
「絶対にJ1の舞台に立つ、家族をJ1に連れていくと、ずっと思っていたんです」
開幕戦はスタジアムに来ることができなかった夫人と2人の息子が、埼玉スタジアムで観戦する予定になっているのだ。J3からJ2、さらにJ1へ。そして、その先へ。自分を支えてくれた人たちと、家族への思いとともに、挑戦は続く。