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大宮のJ1復帰は「誰」なのか。
戦う男・三門雄大と大前元紀の復活。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/02/08 10:30
2014年にJ2へ降格したときは、大宮は1年でJ1に返り咲いている。2018年の挑戦が始まる。
「うまい選手が揃ってるけど、戦うタイプがいない」
大宮には、茨田陽生、金澤慎、大山啓輔らのボランチがいるが三門は金澤に似たタイプ。攻撃力のあるパートナーを前に押し出し、自らは掃除役に徹する。そうしたプレーだけではなく、ベテランとなった今、求められる役割は横浜FM、福岡時代とは異なる。自分が果たす役割を、どう考えているのだろうか。
「大宮は個々にうまい選手が揃っているんですけど、劣勢になった時にチームを鼓舞して戦うタイプの選手がいないというのを強化部から聞きました。0-1、0-2になって2、3点取りにいくような時、僕がどんだけチームを引っ張っていけるか。
そのためにはまず練習から常に100%でやっていないといけない。適当にやっていると『普段から100%でやってないじゃん』って若い選手は思うんでね。どんな練習でも100%体を張ってやることでそういう時に鼓舞できる存在になれるし、そういうところを見てもらって呼んでもらったのだと思います。僕は大宮に入ってきたばかりですけどチームのために戦いたいという気持ちはみんなと同じか、それ以上にあるので、その気持ちを前面に出してプレーしたい」
そう語る三門の表情はイキイキしている。
練習中も、動きの良さが目立つ。福岡ではキャプテンとしてプレーしてきたが、チームを引っ張る意識も非常に強い。きれいにサッカーをするタイプが多い大宮にあって、泥臭いプレーをするファイタータイプの三門は大きな刺激になるだろう。
「目標は全試合に出て、J1昇格すること。昨年は得点が少なくて福岡が上がれなかったんで、ボランチで少なくとも5ゴールというのは獲っていかないといけない。あとはチームのために常に体を張ってやっていきたいなって思います」
屈辱のシーズンを過ごした大前元紀。
大前元紀にとって昨年は、屈辱的なシーズンになった。
なかなか試合に絡めず、25試合でわずかに2得点。大宮のエースだった家長昭博が抜けた穴を埋める活躍を期待されたが、期待に応えることができなかった。
「昨年はチーム状況と個人の問題、監督の問題(2人交代)もあって難しかったですね。チームとして1年間を通して土台を作れなかったと思うし、やりたいこともチームとしてまとまっていなかった。
個人的にも、最初の段階で自分が点を取って、結果を示せばチームは変わったと思う。でも、それができなかった。エスパルスでJ2に落ちた時は自分が試合に出ていたし、自分でどうにか変えられるチャンスがあった。でも、昨年はそれがなかなかなかったんで、うーん、苦しかったですね」