フランス・フットボール通信BACK NUMBER
フランスの女子サッカー代表監督が、
代表チーム構築の要諦について語る。
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byAlex Martin/L'Equipe
posted2018/01/30 07:30
最終的には代表監督就任にうなずいたディアクルだが、男子選手を率いてのクレルモンでの監督業も宿命的なように思われる。
男子サッカークラブの監督から、なぜ女子代表監督を?
――代表監督を引き受けたのはどうしてですか?
「一度は断りました(註:2016年9月に前任者フィリップ・ベルジュローが辞任したとき、フランスサッカー協会はディアクルに就任を要請したが、彼女の断りにより後任はオリビエ・エシェアフニに決まった)。タイミングも難しかったし、それなりの理由もあったので。
クレルモン・フットのクロード・ミシー会長に当時こう言われたのです。
『(代表監督の)候補に値する人々は他にもいるはずだ』と。
それにノエル・ルグラエ・フランスサッカー連盟会長のオファーは魅力的だったけど、自分が指揮するクラブが、私が離脱することによって苦境に陥るのを承知で離れたくはなかった……つまり引き受けられる状況ではなかったということです」
「私は後悔したことはない」「でも、心の痛みはあった」
――冷静に振り返ってクレルモンを去った後悔はありますか?
「後悔することと、胸が締めつけられる痛みを感じることは違う。私は後悔したことはないし、いつもその逆でありたいと思っています。
これまでのどんな決断もこれからの決断も、すべて後悔しないために考えた末のものです。
でも、心の痛みはあった。すべてがあっという間に起こったから。
オファーを承諾したとき、ずっとチームを統括してきてはじめてクレルモンの選手を騙した気分になりました。それまで彼らに何も知らせていなかったから」