フランス・フットボール通信BACK NUMBER
フランスの女子サッカー代表監督が、
代表チーム構築の要諦について語る。
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph byAlex Martin/L'Equipe
posted2018/01/30 07:30
最終的には代表監督就任にうなずいたディアクルだが、男子選手を率いてのクレルモンでの監督業も宿命的なように思われる。
ジャケ元監督、そしてデシャン現監督から学ぶもの。
――エメ・ジャケとも会ったということを聞いていますが……。彼は男子A代表で世界タイトルを獲得したただ1人のフランス人監督ですね。なぜお会いになったのですか?
「それは2年前のことで、最近ではありません。リーグ2のエビアンTG対クレルモン戦を見に来た彼が、ロッカールームを訪れて選手に挨拶をしていたのです。日常的な付き合いはないけど、お互いに尊重し合っている、という関係ですね」
――会って話をすることがあれば、もしかしたら地元開催のワールドカップで優勝する秘策を授けてくれるのでは?
「そんな魔法のレシピは絶対にないでしょう(笑)。
大事なのは、しっかりとチームを準備すること。外からでは窺い知れない仕事もたくさんあって、彼がどんな風に準備を進めて、前もって何を想定して準備したかはとても興味がありますけどね。それからチームの何を変えようとしたのかも。
でも、それらを知るためにわざわざ彼のところまで行く必要はありません。彼のことをとても良く知り、選手としても監督としてもその方法論を受け継いできた人物――ディディエ・デシャン(男子代表監督)が私の身近にいるのですから」
代表チームを作る時の、まず最初の作業とは?
――それでは監督として、本大会への準備をどう進めますか?
「最初の3カ月は、選手たち全員をひとつの大きなグループにして活動してみました。その上で6試合をこなし、選手全員から多くの情報を得ることができた。
全選手たちの個性を把握した上で、今はどの方向に向かえば良いのかが分かり始めている時期。やるべきことも限定し始めており、各選手の代表におけるプレースタイルもよりハッキリしました。
でも変えねばいけないことはまだまだある。これまではうまくいかないことにもトライしてきましたけれど、固執している時間はもうないですね」