【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER

No.1経営者が語る、Bリーグの集客。
全国共通の施策+地域ごとの変化球。 

text by

島田慎二

島田慎二Shinji Shimada

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photograph byB.LEAGUE

posted2018/01/03 08:00

No.1経営者が語る、Bリーグの集客。全国共通の施策+地域ごとの変化球。<Number Web> photograph by B.LEAGUE

レバンガ北海道も、今季大きく成長しているクラブの1つ。雪深い札幌では、冬の集客が正念場なのだ。

絶対に必要な土台と、地域にあわせた変化球。

 ジェッツでも過去、地域社会の方に「うちには全然こない」と言われたことがありました。しかし、中途半端に関わって嫌われるよりも、「いろいろ交渉をしたいのですが、今は社員が少なくてできないんです。頑張って力を付けて、社員を増やしたら、またあらためて挨拶に伺うので、もう少し待っていてください」と説明をして理解していただいた。

 こういった局面では難しい判断を求められますが、できないことはやらない、関わらない。うちは捨てるものを捨ててきました。

 各クラブにはそれぞれの地域性、県民性が存在します。しかしそれ以前に、ファンダメンタル的な部分は経営者として“やるべきこと”として取り組まなければなりません。

 例えば、経営スタイル、社員とのコミュニケーション、社員が働きやすい環境づくり、社員のモチベーションを上げるアプローチ。これを確立した上で、人を集めるための広告の仕方、SNSの使い方等のテクニックが生かされる。さらに、これらを前提とした上で、各地域で異なるアプローチ方法が“変化球”として生きる。

敵に塩を送ってでも、Bリーグの活性化を。

 B1、B2、計21クラブの経営者が勉強会で学んだことを、現場でどれほど活かすことができているのか。座学で勉強するだけで終わらせては意味がないので、12月上旬からは私が実際に現場に行って社長の仕事ぶりを見てアドバイスをしたり、現場のスタッフともコミュニケーションを取りながら、その都度、適切なアドバイスを行っているところです。

 島根はB2からB1に昇格したという背景も関係していますが、そういった状況にあぐらをかくのではなく、昇格というプラス条件を弾みに、勉強会でのアドバイスを愚直に実行し、それが観客動員にもつながっています。

 その報告を聞いて非常にうれしかったですし、なによりも社長を始めとした、スタッフが一丸となって努力し、結果を出したところに大きな意味を感じました。

【次ページ】 「私の役割は、2、3年後に向けたクラブの再建」

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