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川崎優勝を象徴する最後の5点目。
「甘い」と言われても貫いた攻撃姿勢。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byAsami Enomoto
posted2017/12/04 12:10
表彰式での「風呂桶」も、また地域密着で育ってきた川崎フロンターレらしい。川崎だからできる、シャーレを掲げる以上に価値あるシーンかと。
自チームにブーイングをしないサポーターの存在。
12番目の選手もしかりだ。川崎のサポーターは、自分のチームにブーイングをしないことで有名である。
タイトルに届かない度に、そこを「甘さ」だとも指摘されたが、いつも温かい彼らの存在が救いだったと中村憲剛は話す。
「負けてもブーイングされないことに甘えちゃいけないと思った。甘えてはいないつもりだけど、そこに救われたところもある。ブーイングされても、おかしくない試合もあったと思う。それでも背中を押し続けてくれた結果、今がある。みんなを日本一のサポーターにできてよかった」
過去、リーグチャンピオンに名を連ねたのは9クラブだ。
だがそのほとんどが「オリジナル10」と呼ばれるJリーグ開幕に名を連ねていたクラブである。そんなJリーグの歴史において、1999年に始まった際の「J2オリジナル10」である川崎は、初めてその頂にたどり着いた。
「フロンターレ (Frontale)」とは、イタリア語で「正面の、前飾り」を意味する言葉である。
堂々と最前列に立ち挑戦するフロンティアスピリッツで、さらなる時代を切り開いていく姿勢を楽しみに見届けたい。