佐藤「スタジアムを1つにするエネルギーはナオにしか」

――最終節、どんなことを期待していますか？

佐藤「スタジアム全体を1つにするエネルギーは、きっと今はナオにしか出せない。今後、そういう選手の出現を期待しているけど、来年以降の確証はない。そういう意味では味スタがナオを中心に、いい時のワァーッという熱を感じるだけでもきっと価値がある試合になると思う。その試合の後に、自分が指導している中学2年生の公式戦が巣鴨であってスケジュール的にはかなりタイトですが、ナオの試合を観に連れて行こうと思っています。

　子どもたちからも『大丈夫ですか？』って聞かれたけど、たとえノーアップで試合に出ることになっても見せたいから、そこは絶対に観に行きます（苦笑）。ナオが躍動する姿もそうだけど、彼らに見てもらいたいのは最近なかった一体感。スタジアムを取り巻く雰囲気や、空気を感じて『やっぱりFC東京いいな』『味スタいいな』『青赤いいな』って感じてもらいたい。それが、子どもたちの胸に突き刺されば、僕にとってもこの上ない喜びになるはずです」

石川「ユキさんが言ったように、スタジアムが1つになる感覚をみんなに感じてほしい。僕がそのきっかけかどうかは別として、ピッチで戦う選手とサポーター、相手チームの選手やサポーターも『これなんだよ』って思うような試合にしたい。また、そういう試合を続けていくためには、どうすればいいのかを考えられるきっかけになればいい。

　今いろんな人が関わってくれて、この試合を楽しみに待っている人たちがいる。でも、サッカーって本来そうあるべきだと思うんです。週末を楽しみに毎日仕事に励んだり、勉強をしたり、美味しいご飯をつくったりしてる人がいる。そんな人たちに、飛田給の駅に着いて『今日の試合難しいだろうな』『見るの憂鬱だ』なんて思ってもらいたくない。選手はワクワクしてプレーしないといけないし、ファン・サポーターにはワクワクして試合を見て欲しい。それなんですよ。もう一度、そのスイッチを入れたいし、そのためなら足がどうなったっていいよ、全てを俺はここで出し尽くしたい」

――ありがとうございました、期待しています。次回はグラスを傾けながらまたゆっくり話しましょうか？

佐藤「そうだね、話が尽きないからね」

石川「本当にそうですね。またやりましょう」