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長谷部誠「割り切った戦い方を」。
ハリルJ、連敗を謙虚に受け入れて。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2017/11/17 08:00
この連戦で酒井宏樹と浅野はプレー時間を伸ばした。ハリルホジッチ監督は彼らの潜在能力をさらに引き出せるか。
「ある意味割り切った戦いをするということ」
長谷部はこうも話している。
「このチームは、強豪相手に戦うのは今回が初めてだった。W杯のグループリーグには間違いなく1チームか2チームはこのレベルの相手がいる。強豪相手に自分たちがやろうとしているサッカー、ある意味割り切った戦いをするということを、改めて再確認できた遠征だったと思う。たくさんの課題もありましたけど、様々なポジティブな面も見られた。これを続けていこうという確信は、手ごたえとしてはあるんじゃないですかね」
また長友も「僕らはこれをベースにやっていくしかない。11人みんなで必死に守って、ショートカウンターなりセットプレーで得点を取り、それで勝ち点をつかんでいくというのは、僕らの、今できる戦い方かなと思います」と語っている。
守備に奮闘した結果、攻撃時にパワーが残っていない。それは日本が世界で戦う際に常に背負う課題でもある。西野朗技術委員長はこう語っている。
「浅野や原口が引っ張られて(ポジションを)落とされるというのは、想定していた。実際によくディフェンスしてくれたが、そこからの攻撃で爆発的な力が出ない……そこは、両インサイドハーフに求められるところだし、最終ラインの長友や(酒井)宏樹が攻撃のサポートに行ければ、浅野や原口が活きる。もう少し彼らのディフェンスが軽減できれば、相手ゴール前でもう少し力強く、正確なプレーも生まれてくると思います」
今の日本に欲しいのは、ボールを奪ったあとの冷静さ。
そして、浅野は率直な想いを吐露した。
「欲を言えば、攻撃で力を存分に出したい。でも、チームと監督からの要求をやらないといけない。守備でも100%、攻撃でも100%、できることをやるだけかなと思います。ただ今日に関しては、ボールを失う回数が多かった。クオリティの高さを求めていかないと」
ただハリルホジッチ監督は、違う見解も口にしている。
「今日の試合、ものすごく可能性を感じた。守備はブロックを作れば、ある程度のチームに対してもボールが奪えることを証明した。これからは、ボールを奪ったあとの冷静さをトレーニングしなければならない。できるだけボールを前の局面に進めていく、つまり(相手の)背後へボールを導き出すことだ。良いチョイス、パスをするのが課題になる」