ぶら野球BACK NUMBER
ハマスタに野球ファンの楽園を見た……。
プロ野球が染みた街・横浜での日本S。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2017/11/15 11:00
普段はオシャレな人達が闊歩する元町通りだが……今日ばかりは主役はベイスターズである!
3年前、糸井重里さんは美味しそうに崎陽軒のシウマイを。
発売当日の午前10時0.5秒にイープラスの購入ボタンを押してなんとか買えたチケットは三塁側内野席。
3年前、ちょうどこのあたりの席から原巨人V3の瞬間に立ち会った。
糸井重里さんが美味そうに崎陽軒のシウマイ弁当をかき込んでいたのが印象深い。
あの時は巨人のロペスなのに、いまや大人気のハマのロペスだ。その安定の一塁守備が懐かしい。我らが阿部慎之助のスローな動きとは全然違うぜ。あ、すいません。打点王と最多安打のタイトルを獲得した背番号2の背中に、まるで自分からフッた元彼女が幸せな結婚生活を送っているのを目撃するような気分で拍手を送る。
ヤバイな、これ一歩間違うと“エルチャモ(ロペスのアダ名)”ストーカーだよ……。
新日本プロレス社長「すべてのジャンルはマニアが潰す」
スタンドには大洋時代のユニフォームから歴代のベイスターズユニ姿もチラホラ見える。
ポンセ、遠藤一彦、三浦大輔、ブラッグス、仁志敏久――。
そのネーム入り背番号を見ているだけで楽しい。あらゆる世代のファンが19年ぶりのハマスタ日本シリーズ開催に集結した。
オールドファンと若い男性や女子の新規ファンが共存する空間。
神奈川県内の子どもたちに72万個を無料配布したDeNAの野球帽を被ったキッズファンも多い。
ある意味、プロスポーツとして理想的な風景だと思った。
球場揚げたての“ベイメンチ”を買い求める老若男女の列に並びながら、新日本プロレス木谷オーナーの「すべてのジャンルはマニアが潰す」という言葉を思い出した。
あれは要は「マニアの共食い」だ。