藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
「麻也のタフさとクレバーさは不可欠」
藤田俊哉がプレミアで見たその成長。
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byToshiya Fujita
posted2017/11/02 10:30
ストーク戦を観戦した藤田氏。現地で強化担当しているからこそ、吉田の選手としての価値を実感したという。
プレミアとは別の意味で厳しい下部リーグ。
話をリーズに戻すと、まずはケガを抱えた選手達がピッチに戻り、全ての選手がフィットした状態に戻って、戦力として考えられる状況になってもらいたい。イングランド、特にリーズが所属するチャンピオンシップは「縦に速く肉弾戦も多いスタイル」だから、ゲームごとの体力消耗が激しい。
プレミアリーグがハードなリーグであることは承知の通りだが、チャンピオンシップより洗練されたスマートなプレーが展開されている「世界選抜」のようなリーグだともいえる。その意味でチャンピオンシップは、よりイングランドのフットボールを感じることができるリーグなのかもしれない。
また24クラブで構成されているため試合数が多い上に、FAカップ、EFLカップもある。またオランダ、ドイツ、イタリアのようなクリスマス休暇もないため、休むことなくシーズンが続くタフなリーグだといえる。
先を急ぎすぎず3、4位につけるのがベストかも。
そのためコーチングスタッフは、限られた選手達を上手くマネージメントして長丁場を戦い抜くことが求められる。この先も厳しい状況は続くが、確実にプレーオフ進出圏内の6位をキープし、更に順位をあげて終盤戦を迎えたい。まずは第9節までのようにアグレッシブに攻撃してゴールを量産、守備でも安定した戦い方ができるようになることが重要である。
今シーズンから監督をつとめるトーマスのフットボールスタイルがチーム全体に浸透するには、当然時間も必要になる。プレシーズンから開幕当初までプレーしていた昨年のリーグ得点王クリス・ウッドのバーンリーへの突然の移籍などがあり、慌ただしかった。直後には2人のストライカーをドイツ、オランダから補強し戦っている。これが今のリーズ・ユナイテッドの現状である。
その意味では先を急ぎすぎないでリーグ折り返し地点までは3、4位につけるのがベストという考え方もできる。