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宇佐美貴史、ブンデス2部で大人に。
「昔なら“はあ?”やったけど……」
posted2017/11/04 08:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
この夏、宇佐美貴史はドイツ2部のフォルトナ・デュッセルドルフに移籍した。
19歳、初めての移籍先はブンデスの盟主バイエルン・ミュンヘンだった。その移籍劇は華やかだったものの、実質的には全く出場機会を得られず、ホッフェンハイムへ移籍。だが苦戦するチームを助けることさえままならず、本人の表現によると「居場所がなくなり」、ガンバ大阪復帰で一度立て直さざるを得なくなった。
そして昨年、ドイツでの再チャレンジの舞台にアウクスブルクを選んだが、出場機会は多くなかった。そして今季、移籍期限ギリギリでのデュッセルドルフへの加入を発表した。2部上位を目指すチームへの移籍は現状の宇佐美にとって身の丈にあった、地に足のついた移籍のように思えた。
10月のある日、練習を終えファンへのサインや撮影に応じている宇佐美に声をかけた。
「サインが終わったら、2、3つ質問良いかな?」
「スタートで出た時のプレーの感触とか重視したい」
地元のドイツ人ファンや日本人とコミュニケーションをとりながら宇佐美はニヤリとし、こう答えた。
「2、3じゃ終わらないんだから、そんな風に言わないほうが良いっすよ」
痛いところを突かれた。「あんまりお時間は取らせませんよ」ということを暗に伝え、取材へのハードルを下げたいという意図を込めたのだが、実際には質問はそれくらいでは終わらないことを見透かされており、思わぬ返しに苦笑するしかなかった。晴天ではあるが急激に寒さの増したその日、宇佐美は結局最後の1人になるまで取材に対応してくれた。
現在、宇佐美はこんなことをテーマにしているのだという。
「スタートで出た時のプレーの感触とか、今はそういうところを一番重視したいかな。サブから出てもいいですけど、スタートから出て色んな選手と関わりが多い方が良くなっていくとは思うし、個人的には身体、プレーのフィーリングもぐっと上がっていく感じがあるので。うん、そこですよね」
つまり、スタメン出場の中で感じられるものを感じていたい、ということだ。