バスケットボールPRESSBACK NUMBER
新スタイルに挑むシーホース三河が、
今季のBリーグの行方を左右する!?
text by
後藤茂仁(Number編集部)Shigehito Goto
photograph byYuki Suenaga
posted2017/10/03 11:50
開幕戦での雪辱を「意識しすぎて固くなってしまった」と話す比江島。2戦目は好ディフェンスを見せつつ13得点を挙げた。
本領発揮できなかった金丸、比江島が語る敗因。
「栃木さんはディフェンスを頑張って速攻を出すという、昨シーズンの財産が残っていて、いいディフェンスとリバウンド、単純なところで向こうのほうが上回った。今季取り入れたい速い展開を第1Qはできていたんですが、それができた理由はリバウンドが取れていて、そこから速攻に繋げられたから。第2Q、第3Qはとにかくリバウンドがとれず、またディフェンスも甘くなってしまった。そうすると自ずから速攻は出なくなってしまう。いいディフェンス、いいリバウンドからでないと、やりたい展開には持っていけない」
そう鈴木HCは敗因を語った。同様にそれぞれ8得点、4得点と本領を発揮できなかった金丸晃輔、比江島慎の三河の両エースも、こう話している。
「速い展開については試合でもっと経験を積んでいかないといけないし、もっと選手同士でコミュニケーションをとる必要がある。今日はうちが悪くて負けてしまった。うちのバスケットができていればあんな展開にはならなかったし、修正するだけです」(金丸)
「序盤はしっかり入れたと思うんですけど、それが40分継続してできなかった。自分たちが自滅してターンオーバーやミスからいい展開に持っていかれて、流れを掴まれてしまった。栃木の得意なバスケットをやらせてしまったのが、第2Qに逆転された原因」(比江島)
自分たちのバスケットができず、自滅してしまったことを敗因として挙げた。
田臥勇太が口にした“栃木スタイル”の継続。
今季のチームスタイルをかたちにできなかった三河に対し、栃木の選手たちの言葉は対照的だった。今季新加入しスターターを務めた鵤誠司(いかるが・せいじ)は「ブレックスらしさ」を強調する。
「ブレックスらしさを出せた試合だったと思います。オフェンスの連係はこれからですが、ディフェンスは気持ちの面だと思うので。まずはディフェンスからブレックスらしさを出していこうと考えて試合に入りました。その結果として今日はいいディフェンスから得点へと繋げられたので、よかったと思っています」
チームを牽引した田臥勇太も、メンバーが大きく変わりながら、この開幕戦で変わらぬ栃木らしいスタイルを発揮できたことをこう語った。
「初戦ということで、まだまだこれからですが、自分たちの目指すバスケットがどれだけできるか、やれることをしっかりやろうとチーム全員で話していました。ディフェンスについてはこのチームのスタイルで、大事にしている部分です。今までいたメンバーはそれをプライドを持ってやっているし、新しく入ってきたメンバーも、ブレックスはそういうチームだと意識しながら毎日取り組んでくれています。今季はメンバーが変わったからこそ、自分たちはどういうチームかというのを言い続けてやっていきたい」