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新スタイルに挑むシーホース三河が、
今季のBリーグの行方を左右する!?
text by
後藤茂仁(Number編集部)Shigehito Goto
photograph byYuki Suenaga
posted2017/10/03 11:50
開幕戦での雪辱を「意識しすぎて固くなってしまった」と話す比江島。2戦目は好ディフェンスを見せつつ13得点を挙げた。
三河が前日の敗戦を修正し勝利へとつなげる。
両チームともに、開幕戦の課題を修正して臨んだ翌日の第2戦。しかし試合序盤で栃木は田臥にアクシデントが発生する。前日の試合で足を痛め、開始わずか16秒で生原と交代し、ベンチに退いたのだ。
この機を逃さず、三河はPG橋本竜馬が激しいディフェンスを仕掛ける。「簡単にプレーさせないという思いで臨んだ結果、ディフェンスでアドバンテージがとれた」という橋本は、第1Qで8得点3スティールをマーク。そのスティールからのファストブレイクや、同じくこのクォーター8得点をあげた桜木、また今年加入し初の先発出場となったダニエル・オルトンらのインサイドの活躍などもあり、26-16とリードして第1Qを終了した。
第2Q以降は速攻に加え、得意とするハーフコートバスケットを織り交ぜ、三河が得点を量産していく。金丸・比江島の両エースも果敢にゴールへのアタックを重ね、第2Qには金丸、第3Qには比江島が、それぞれ各クォーターで8得点をあげてチームに勢いを与えた。
開幕節から「チームのスタイル」を巡る戦いに。
一方の栃木は特に第1Q・第2Qでターンオーバーから速攻を受ける場面が目立ち、またシュート成功率でも三河に大きく離されてしまう(第2Q終了時点で三河51.4%に対し、栃木は32.4%)。オフェンスがイージーになり、「点数が取れないことで、我々が一番大事にしていたディフェンスも機能しなかったかもしれない」と、スタイルの要であるディフェンスにも悪影響がでてしまったと、栃木の長谷川HCは話す。
終わってみれば23得点をあげた金丸を筆頭に、桜木(16得点)、橋本(15得点)、比江島(13得点)、オルトン(10得点)と、スターター5人全員が2桁得点を記録。最大23点差まで開いたリードを終始守り続けた三河が、85-70で危なげなく勝利し、開幕戦のリベンジを果たした。
昨季CSセミファイナルの再現カードとなったこの開幕節、三河にとっては2勝を挙げて完全に雪辱を果たしたかった試合だったが、結果は1勝1敗。因縁対決の決着は、リーグ戦後半となる来年2月の三河のホームゲーム、あるいはその先にあるCSへと引き継がれることになった。
大きくメンバーが替わりながら、昨季と変わらぬハードなディフェンスからの攻撃を徹底し開幕戦を勝利した栃木。昨季までの強力なハーフコートオフェンスに、速い展開というプラスアルファを加えようとチャレンジし、2戦目を勝利した三河。この開幕節の試合は、「チームのスタイル」を巡る戦いでもあったといえるだろう。