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新スタイルに挑むシーホース三河が、
今季のBリーグの行方を左右する!?
posted2017/10/03 11:50
text by
後藤茂仁(Number編集部)Shigehito Goto
photograph by
Yuki Suenaga
シーホース三河にとって、それは絶対に負けられない試合だった。
2シーズン目を迎えたBリーグ開幕戦。栃木ブレックスのホーム・ブレックスアリーナで行われた栃木vs.三河の戦いは、昨季チャンピオンシップ(CS)セミファイナルの再戦となるカードだった。そのセミファイナル3戦目、同じアリーナで、残り30秒で劇的な逆転劇の末に敗れた三河としては、早々に巡ってきた雪辱の機会だった。
ゲーム開始前、栃木の選手たちにチャンピオンリングの贈呈式が行われ、会場を黄色に埋め尽くした栃木ファンの声援がひと際高くなる。昨季CSを思わせる完全アウェーの雰囲気のなかで、三河のリベンジを懸けた戦いは始まった。
昨季の財産を活かした栃木と速攻を仕掛け続けた三河。
「(CSセミファイナルの)あの負けを意識して、出だしは集中して入ることができた」と鈴木貴美一ヘッドコーチ(HC)が話すように、第1クォーターに主導権を握ったのは三河だった。
今季開幕前から、得意とするハーフコートバスケットに「プラスアルファとして早いトランジションからの展開を取り入れる」(鈴木HC)と公言していたとおり、ファストブレイクからペースを掴み、桜木ジェイアール、アイザック・バッツのフロントコート陣が得点を重ね、21-13とリードして第1Qを終了した。
しかし第2Qに入ると状況は一変する。栃木がチームスタイルのハードなディフェンスからの速攻でリズムをつくると、今季加入したセドリック・ボーズマンが9得点、控えのポイントガードの生原秀将も7得点をこのクォーターだけで挙げ、逆転に成功した。
三河は第2Q以降、栃木の激しいディフェンスを前に攻撃が停滞。またオフェンスリバウンドを栃木に次々と取られる展開となり、徐々に点差を広げられて、最終的には78-64で敗れる結果となった。