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今年も凱旋門賞は厳しいのか……。
サトノが前哨戦で直面した芝問題。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/09/11 12:30
凱旋門賞へ向けて好スタート、とはいかなかったサトノダイヤモンド(左端)。残り3週間でフランスの重い馬場に対応することはできるか。
トレヴクラスの大本命が君臨する今年の凱旋門賞。
今年の凱旋門賞の本命と目されているのは、GI4連勝中の女傑、イギリスのエネイブル(牝3歳、父ナサニエル、ジョン・ゴスデン厩舎)だ。その4連勝で2着馬につけた平均着差が5馬身。それには、古馬の牡馬を蹴散らしたキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスも含まれている。土砂降りのなか、タフな馬場コンディションで行われたキングジョージを圧勝したこの馬に、ほとんど死角はないように思われる。
池江調教師が管理したオルフェーヴルは2012、2013年と2年連続2着となり、2度とも牝馬に敗れた。特に'13年の勝ち馬トレヴはとてつもない強さだったのだが、エネイブルは、その域に達しているか、上を行くスケールかもしれない。
そんな「化け物」でも絶対に勝てるとは限らないのが競馬というスポーツだし、さらに上のパフォーマンスを発揮する馬がいても不思議ではないのが凱旋門賞という世界最高峰の舞台だ。
疑いなく世界トップレベルにある日本の競馬でこれだけの実績を残してきたサトノダイヤモンドにも、もちろんその頂点に立つ資格と可能性がある。
凱旋門賞仕様の走りをマスターしたこの馬の姿を、10月1日に見せてほしいと思う。