今も私は、本田を欠かせない選手だと考えている。

　今も私は、本田圭佑はこの代表には欠かせない選手だと考えている。彼の経験、ピッチ上での落ち着きとボールを失わない懐の深さは、チームに貴重なタメを作ってくれるからだ。大事な場面で得点を決める力もある。とはいえ、もちろんチーム内の競争はあるべき。ワールドカップまで1年という段階で、久保をはじめ中堅、若手の選手が急成長を見せているし、ポジションが安泰な選手などいない。

　ハリルホジッチ監督は4-2-3-1をベースとしているが、香川真司と清武弘嗣のいるトップ下もそうだ。最前線も、個人的に岡崎慎司は絶対的な存在だと考えていたが、今ではそこに大迫も入ってきている。欧州でプレーする、伸び盛りの質の高い選手たちが、代表の中で健全な競争をする。理想的な環境ができあがっていると思う。

　ザッケローニ監督の後を継いだ私がやろうとしていたのも、結果を求めながら、少しずつ若手を加えていき競争を生み出していく、というものだった。

私は柴崎岳を本当に高く評価している。

　3月の2試合では招集されていなかったが、例えば柴崎岳はそのひとりだ。私は彼の能力を本当に高く評価している。パスセンス、展開力があるし、単なるパサーと違い、スペースを見つけて前に飛び込んでいく力もある。機動力のあるパサーだ。テネリフェでも非常にいいプレーをしていると聞いた。スペインでさらに成長するだろうし、今後も期待している。

　また最近は代表に入っていないが、武藤も能力が高い選手だ。欧州でやれるフィジカルがあるし、左サイドでも前線でもやれる。得点力もあるし、これからに期待している。乾貴士も楽しみな選手のひとりだ。今季のエイバルでのプレーは素晴らしかったし、運動量や守備面でのタスクもしっかりこなしている。攻撃面でのキレと突破力はいうまでもない。遅かれ早かれ、ハリルホジッチが乾を招集することになるのは間違いないだろう。それにしても原口、宇佐美、武藤ら、左サイドの層は厚いね。

　次のイラク戦、中東でのアウェー戦は常に難しいものだが、冷静にプレーさえできれば、日本はまず勝てるだろう。日本代表が進む方向性は間違っていない。経験のあるベテランに、伸び盛りの若手たち。この道を進めば、私にはワールドカップ出場権獲得は当然のことのように思える。

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